アルファベットや数字が何となく見えにくい、パソコンの文字が見えにくくていつの間にか目を細めている、暗い場所で光がにじんで見える・・・こんな事に身に覚えありませんか?もしかしたら乱視が原因かもしれません。
目が見えにくいと、目を細めるなどして何とか頑張って見ようと無理をするため、目に大きく負担がかかります。 目が疲れやすくなるだけでなく、頭痛や肩こりなど体にまで影響が出てくることもあります。
仕事でパソコンを使う人はもちろん、そうでない人でもスマホなどで目を酷使してしまいがちな現代社会。
疲れ目や頭痛の症状がある方は、一度乱視を疑ってみましょう。
乱視を矯正することで症状が改善するかもしれません。
乱視とは?
眼には角膜や水晶体というレンズがあります。
乱視が無い状態というのは、角膜と水晶体で眼に入る光が適度に曲げられて眼の奥で一点に集まります。
例えて言うなら虫眼鏡で光を一点に集めることと同じです。 そのレンズが歪んでいると正しくピントが合わせられなくなり、物が歪んだりぶれたりして見えます。これが乱視の症状です。
乱視の原因となる歪み方は人によって違います。 垂直方向に歪んでいたり水平方向や斜め方向などに歪んでいることや、組み合わさったものもあり、歪み方は千差万別ですので、それぞれその人に合う矯正をする必要があります。
乱視の矯正は、レンズの度数だけでなく、レンズの方向も合わせなければならないため、きちんと眼科医に見てもらい正しいレンズを選ぶことが大切です。 正しく矯正すれば物が2重に見えたりぼやけたりする症状が改善されてクリアに見えるため、それまで目を酷使することで起きていた目の疲れや体の不調は解消されるでしょう。
乱視の種類
乱視には、「正乱視」と「不正乱視」の2つの種類があります。
正乱視は、目の中のレンズとなる水晶体にゆがみが生じている状態です。正乱視のなかでも、ゆがんでいる方向によって、屈折が垂直方向の直乱視、水平方向の倒乱視、斜め方向の斜乱視というように、名称が変わります。
一方で、不正乱視の場合は、角膜の表面が凸凹とした形状になっています。角膜のゆがみが対称でなかったり、白内障や角膜移植などの手術が原因で起きたりすることがあります。ピントを合わせることが難しくなってしまうため、通常の乱視の矯正と同じ方法では、矯正が難しいこともあります。
自分の乱視の種類や程度などは、自己判断ではわからないものです。見え方に不安がある人は、早めに眼科の診断を受けましょう。
乱視は意外と自分では気づきにくいものです。「もしかして自分は乱視?」と考えている人は、以下のチェックリストを確認してみてください。
1.「VとW」「1と7」など形が似ている数字やアルファベットの区別がつきにくく、文字が見にくい
2.時計の針がぼやけて見え、時間がわからないことがある
3.パソコンやスマホの表示画面がブレて、文字や画像が見づらいと感じることがある
4.本や新聞、モバイル上の文字を見る際に目を細めてしまうことがある
5.車やバイク、自転車を運転している際に信号や標識の文字がぼやけて判断しにくいことがある
6.暗い場所で光がにじみ、夜空の月や星もにじんで見えることがある
7.メガネやコンタクトレンズをつけても文字が読みにくいと感じることがある
当てはまる項目が多かったからと言って必ずしも乱視とは言い切れませんが、しばらく経っても治らないようであれば、まずは眼科医に相談することをおすすめします。
乱視であっても、軽度のものであれば矯正が必要ないこともあります。矯正をするケースは、日常生活で見え方に支障があり、眼科医に矯正が必要と診断された場合です。
乱視を矯正する方法として、乱視用のメガネを作るほかに、乱視矯正用のコンタクトレンズを作って装用するという方法があります。
乱視用のコンタクトレンズには、ソフトコンタクトレンズとハードコンタクトレンズがあります。正乱視の場合は、乱視用のものであれば、ソフトコンタクトレンズでも矯正が可能です。一方、不正乱視の場合は、ハードコンタクトレンズの矯正が適しています。理由として、ハードコンタクトレンズは角膜に直接乗せるため、角膜の形をレンズによって押さえ、視力を補正することができるためです。場合によっては、乱視用メガネを使用するよりも矯正効果がある場合もあります。
ただし、水晶体に問題がある場合には、ハードコンタクトレンズを使用した矯正ができないケースもあります。
乱視と診断されても、適切な矯正を行えば、心配することはありません。少しでも気になっている人は、眼科医の診察を受けることをおすすめします。
乱視には程度があり、軽度のものであれば自然と調整されるため、無理に視力矯正をする必要はありません。しかし、乱視があまりにもひどいようであればすぐに眼科に行き、メガネやコンタクトレンズで矯正するなどして対策をとることをおすすめします。
なぜなら過度な乱視を放置しておくと、さらに悪化してしまう可能性が高いためです。
乱視のまま目を細めて物を見る癖がついてしまうと眼球が圧迫されて筋肉が膨張し、角膜が変形することでゆがみが発生する可能性があります。強度の乱視は眼精疲労を招く原因となるため、なるべく早く眼科で診てもらいましょう。
眼精疲労を回避することで肩こりなどを防ぐことができます。
また、乱視が原因で角膜を傷つけると瞳が老化し、乱視もさらに進行する場合があります。
そもそも乱視はもともと治すのが難しいとされていますが、それがさらに進むと余計回復が悪くなり、視力も低下していくのです。
定期的に眼科に通って目の健診を受け、目の健康の変化に敏感になるようにしましょう。
なんとなく体が疲れる、慢性的な頭痛があるといった誰しもが抱えがちな不調の原因のひとつとして、乱視の可能性もあるのです。
放置しておくと体全体の不調にもつながりかねません。 不調に身に覚えのある方は、早目に眼科で診察してもらい、目や体の不快な疲れから解放されて快適な生活を目指しましょう。
乱視に対応したコンタクトレンズもありますので、コンタクト希望の方はその辺も含めて眼科医に相談してみると良いでしょう。
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