コンタクトレンズを装用しているとき、目に痛みを感じたことがあるという人もいるでしょう。 目の乾燥や、ゴミ・ほこり、レンズのズレや破損が原因であることが多いですが、痛みが続く場合は、角膜が傷ついている可能性もあります。
日常的にコンタクトレンズを装用する人は、目が乾燥して痛みを感じることもあるでしょう。 目薬を点眼したり、レンズを外してゴミの付着や破損がないかチェックしたりして、痛みが治まらない場合は早めに眼科を受診しましょう。
コンタクトレンズを初めて装用する人の場合、これまで何も入れていなかった目に異物を入れることになるため、最初のうちは目に違和感を持つことがあります。 特にハードコンタクトレンズの場合はレンズの素材が硬く小さいサイズのため、目がゴロゴロすると感じることもあります。 しかしこの場合、毎日定期的に使用していれば、長くても1週間~1か月ほどで慣れるので心配はいりません。
また、コンタクトレンズを装用して外出しているときにほこりやゴミなどが目のなかに入り、痛みを感じることがあります。 特に野外でスポーツをするときには、砂や土ぼこりなどが目に入りやすいので、痛みを感じやすくなります。 ハードレンズよりソフトレンズの方がサイズが大きいのでほこりやごみが入りにくく、レンズもずれにくいので、外出やスポーツをするときはソフトコンタクトレンズを使用する方が良いでしょう。
空調が効いた部屋のなかにいたり、長時間パソコン画面を見たりすることも、レンズの乾燥から目に痛みを感じる原因になります。 空気が乾燥したり、まばたきの回数が少なくなったりして目が乾燥した結果、痛みを感じるのです。 また、目をこすってレンズがずれたり破損したりして、痛みを感じるという場合もあります。 レンズが破損した場合は、速やかに装用を中止してください。
コンタクトレンズを装用しているときに目がいたくなる原因としていくつかの理由が考えられますが、レンズにゴミが入ってしまった場合に痛みが出ることが多いでしょう。 この場合は、一度レンズを外してゴミを取り除くことで、痛みもなくなることが多いです。
また、目が乾燥しているために目とレンズに摩擦が起きて痛みを感じるというケースも多いようです。 特にソフトコンタクトレンズの場合、涙も不足しやすいため乾燥しやすいのです。 この場合、目を休ませたり目にうるおいを与えたりすることが必要です。
そのほかに、角膜が傷ついてしまっている可能性もあります。 特に、コンタクトレンズの装用中以外、外した後も痛みがあるという場合、症状が重くなっている可能性が高いです。
コンタクトレンズを装用していて目に痛みを感じるのは、目の乾燥が原因であることが多いです。 乾燥感をやわらげたりうるおいを与えたりするために効果的なのが、コンタクトレンズ用の目薬です。 特に、人間の涙と近い成分が配合された「人工涙液」は、乾燥などの症状を抑えるのに適しています。 会社や学校、お出かけには常に目薬を持ち歩き、乾燥が気になったら点眼するようにしましょう。 使い切りタイプの目薬は防腐剤が入っていないので眼にも安心です。
コンタクトレンズの上から目薬をさすときには必ず守ってほしい注意点があります。 それは、コンタクトレンズ用の目薬をさすことです。 目薬のなかには治療目的のタイプとコンタクトレンズ専用のタイプがあります。 病院などで処方されたり、薬局で市販されている治療目的のものは、場合によってはレンズが変形してしまったり、レンズをよごしてしまうことがあります。 購入時には、コンタクト用の目薬かどうかをきちんとチェックしましょう。
メーカーが定めているコンタクトレンズの装用時間を超えて長時間つけ続けると、目が酸素不足になって角膜が傷ついたり感染症にかかりやすくなったりします。厄介なことにソフトコンタクトレンズ装用中は痛みに気づきにくいことがあり、気づいたときには目の病気が進行している可能性があるので、少しでもおかしいなと思ったら眼科に行ってみるとよいでしょう。
目の痛みで考えられる眼病①角膜上皮びらん
角膜上皮びらんが角膜の表面の辺りに傷ができている状態のこと。視力に影響が出るほどの障害はほとんどありませんが、傷ができている間は涙が大量に出たり、まぶしさを感じたりすることがあります。
目の痛みで考えられる眼病②角膜浸潤
角膜湿潤は角膜に傷ができて、角膜上皮や角膜実質に炎症が起こる症状です。充血が起こり、激しい痛みをともなうなど角膜上皮びらんよりも深刻な状態が見られます。角膜潰瘍にまで進行するおそれがあるので、違和感を覚えたらすぐに眼科を受診しましょう。
目の痛みで考えられる眼病③角膜潰瘍
角膜潰瘍とは角膜にただれをもたらす目の感染症で、細菌やウイルス、寄生虫などの感染によって引き起こされます。うずきや目の異物感、充血や流涙などが代表的な症状です。再発の可能性が比較的病気なので、早期段階で治療をしましょう。
目の痛みで考えられる眼病④急性角膜上皮浮腫
急性角膜上皮浮腫とは、コンタクトレンズの長期装用などが原因で酸素が不足することによって、角膜上皮細胞が代謝障害を引き起こす眼病です。角膜上皮剥離を合併する可能性が高く、コンタクトレンズを外した後に激しい痛みやまぶしさを感じるなど、さまざまな症状が現れます。
ここまでで紹介した4つの眼病には、目が充血するという症状の共通点がありますが、充血したからといって必ずしも眼病とは言い切れません。そもそも充血とは、目に刺激を受けたり疲れた目に酸素や栄養が行き届きにくくなったりすることで、目の表面にある細い血管が膨らんで発生するもの。
単純に目が疲れている時や乾いている時、またドライアイやアレルギー性結膜炎などの症状で充血することも珍しくありません。
自分で目の状態を判断するのは大変危険なことです。気が付いたら深刻な眼病になっていたということがないように、少しでもおかしいと感じたらすぐにコンタクトの装用を止めて眼科医に相談しつつ目の状態を見てもらいましょう。コンタクトレンズの装用時間を守り、家ではメガネで過ごすなどして目を休めることも大切です。
一時的なものであればまだしも、コンタクトレンズを装用していて日常的に目の痛みを感じる場合や、コンタクトレンズを外しても痛みが続く場合などは、目に何らかの異常が出ている可能性もあります。 違和感を持ったら、早めに眼科を受診することをおすすめします。 眼科で診断を受けることで痛みの原因もわかり、症状に適した目薬などを処方してもらうこともできます。
目の痛みが続いているのに「大丈夫だろう」と勝手に判断し、そのまま放置しておくことは非常に危険です。 角膜が深く傷ついていたり炎症が起こっていたりして、痛みが悪化し目が開けにくくなってしまうなど、さまざまな症状が起きてしまう可能性があります。 痛みが続いて改善されない場合は一度コンタクトレンズの装用を中止し、眼科を受診しましょう。
今回は、コンタクトレンズ装用時の痛みについてご紹介しました。 痛みが続くときは無理をせず、早めに対策を取りましょう。
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