カラコン(カラーコンタクトレンズ)を選ぶときに、何を重視していますか。
色でしょうか、それともデザインでしょうか。
もちろん、カラーやデザインは瞳の印象を左右する重要な要素です。
しかし、カラコン選びで失敗しないためには、「3つのサイズ」を知っておかなければなりません。サイズを正しく把握しておかないと、目にトラブルが生じたり、瞳の印象が不自然になったりする場合があります。
この記事では、カラコン選びで重要な3つのサイズと、理想の瞳に近づくカラコン選びのポイント、目の健康に配慮するためのポイント、安心して使えるおすすめ商品について解説します。
カラコン選びで大切な3つのサイズとは、「BC(ベースカーブ)」「DIA(レンズ直径)」「着色直径」のことです。
ここでは、それぞれのサイズが重要な理由を解説します。
BC(ベースカーブ)とは、カラコンのレンズの曲がり具合を表す数値です。
BCが合っていないと、カラコンがズレたり目を圧迫したりするため、装用感が悪くなります。また、目に傷が付いたり角膜の呼吸が妨げられたりして眼障害をまねくリスクも高くなるため、自分に合うBCを知っておくことが重要です。
ただし、BCを自分で測ることはできません。正確なBCを知るには、眼科を受診して専用の機器で測定してもらう必要があります。
DIA(ダイア)は、レンズそのものの大きさ(レンズ直径)を表す数値です。
DIAはレンズごとに決まっているため、購入時にDIAを選択することはないかもしれません。
しかし、カラコンは着色直径が大きくなるとDIAも大きくなります。そして、DIAが大きくなると瞳の広い範囲がカラコンに覆われるため、酸素不足をまねきやすくなります。
瞳の酸素不足は、さまざまな目のトラブルの原因となります。そのため、DIAの大きさは黒目より少し大きい程度にとどめておくべきでしょう。
着色直径は、カラコンの着色範囲を示す数値で、瞳の印象に大きく影響します。
例えば、着色直径が小さいと裸眼に近いナチュラルな印象になりますが、黒目より小さいと瞳を大きく見せられません。一方、着色直径が大きいと目もとが華やかな印象になりますが、大きすぎると白目とのバランスが悪くなり不自然に見えてしまいます。
このことから、カラコンを選ぶ際には、理想の瞳をかなえる着色直径をあらかじめ知っておくことが重要です。
次に、理想の瞳に近づけるカラコンの選び方について解説します。
カラコンの着色直径は、「瞳の黄金比」を参考にして選ぶのがおすすめです。
「瞳の黄金比」とは、目もとを魅力的に見せる白目と黒目の比率のことです。
白目と黒目の黄金比は「白目:黒目:白目=1:2:1」とされています。そのため、理想の着色直径は「目の横幅÷2」で計算できます。
自分の目に合う着色直径は、スマートフォンと定規があれば測定可能です。
以下に詳しい手順を解説しますので、ぜひ測ってみてください。
1. スマートフォンのカメラ位置を目の高さに合わせる
スマートフォンのカメラを目と同じ高さに合わせ、撮影の準備をします。
目を正面に向け、目頭から目尻までしっかりカメラに写るように位置を調節しましょう。
2. 目の下に定規を当てて撮影する
目の下にまっすぐ定規を当てます。
定規の目盛りが目頭から目尻まできちんとあることを確認したら、シャッターを押して撮影してください。
3. 画像で目の横幅を確認して理想の着色直径を計算する
撮影した画像から目の横幅を確認します。
「目の横幅÷2」が理想の着色直径です。
(例)目の横幅が2.7㎝(27mm)の場合:27mm÷2=13.5mmが理想の着色直径
理想の着色直径がわかったら、次はレンズのタイプを選びましょう。
レンズのタイプには、カラーレンズとサークルレンズの2種類があります。
カラーレンズは着色範囲が広く、瞳そのものの色を変化させる効果があるレンズです。カラーバリエーションも豊富で瞳の印象を大きく変えて華やかに見せますが、職場や学校での使用にはあまり向いていません。
サークルレンズは、レンズの周辺部分のみが着色されているレンズです。
カラーレンズに比べて印象の変化は控えめですが、自然に瞳を大きく見せられるため、普段使いに適しています。ただし、印象は大きく変わらないため、物足りなさを感じる方もいるようです。
使うレンズを1種類に絞り込む必要はありません。使う場面や目的に合わせてカラコンを変えれば、毎回新鮮な気分で楽しめます。
カラコンが不自然にならないためには、カラーとデザインも大変重要です。
カラーは、もともとの目の色や普段のファッション、メイク、髪の毛の色などに合わせると失敗を防げるでしょう。
デザインは、輪郭をはっきりさせて瞳の大きさを強調するものや、あえて輪郭をぼかして自然な印象に近づけたものなど、さまざまなタイプがあります。
そのため、どのような瞳になりたいかをあらかじめイメージしておくとよいでしょう。
「カラコンが初めて」という方には、瞳より少し明るめのナチュラル系のカラーで、縁をぼかしたデザインがおすすめです。このようなカラー・デザインなら黒目となじみやすく、初心者の方でも違和感なく使用できます。
関連記事:印象をガラッと変える? それとも自然に? カラコンの色の選び方
カラコンを楽しむためには、目の健康にも配慮する必要があります。
ここからは、カラコンで目の健康を害さないためのポイントを解説します。
カラコン購入時には、必ず眼科を受診しましょう。
カラコンを購入するには、BCや度数などのデータが必要です。正確な数値は、眼科を受診して測定してもらわなくてはなりません。BCなどを測定せず適当にカラコンを選ぶと、目の不調や重篤な眼障害をまねくおそれがあるため、注意が必要です。
眼科を受診すれば、目の状態に応じたカラコンを処方してもらえます。また、目のトラブルや視力の変化にも早めに気付けるため、目の健康維持にもつながるでしょう。
カラコンには色素の層がある分、クリアレンズよりも厚く、酸素を通しにくい傾向にあります。また、酸素透過率の低い素材で作られている商品も少なくありません。DIAが大きいカラコンでは、さらに瞳の酸素不足をまねきます。
瞳が酸欠状態になると、目が充血したり疲れやすくなったりといった症状がでます。さらに、黒目の部分に血管が侵入してきて視力が低下したり、抵抗力が落ちて感染症にかかったりすることもあります。症状がひどくなると失明する場合もあり大変危険です。
このような目のトラブルを避けるためにも、カラコンを選ぶ際は色やデザインだけでなく、DIAや酸素透過率もしっかりチェックしましょう。
カラコンを選ぶ際には、使用期間も要チェックです。
ワンデータイプのカラコンの値段は少し高めですが、デイリーケアが不要で毎回清潔なレンズを使用できます。
一方、2ウィークタイプやマンスリータイプはコスト面で優れていますが、デイリーケアが必要です。また、見た目の印象やフィット感に不満があっても、使用期間が残っているとなかなか新しいレンズに切り替えられません。
このようなデメリットを考えると、初めてのカラコンはワンデータイプがおすすめです。10枚入りなどの小容量タイプを選べば、色や付け心地が気に入らなくてもすぐにほかの商品に切り替えられるので安心です。
目の健康を守るには、安全性の高い信頼できるカラコンを選ぶことが大切です。
カラコンの色素は金属成分を含むため、色素が漏れると目の炎症や眼障害につながるおそれがあります。カラコンの着色構造にはいくつかの種類がありますが、色素が露出しない作りのものを選ぶようにしましょう。
また、カラコン販売店のなかには、海外の粗悪品を取り扱っている店舗もあるようです。このような危険な商品によるトラブルを避けるには、購入時にカラコンの「高度管理医療機器承認番号」を確認するようにしましょう。「高度管理医療機器承認番号」は、商品のパッケージに記載されているほか、通販サイトの商品紹介ページなどにも掲載されています。
この番号が確認できない商品は日本の安全基準を満たしていないため、購入を避けてください。
最後に、カラコン初心者の方にも使いやすいおすすめ商品を3つ紹介します。
メニコンの「FRUTTIE(フルッティー)」は、自然でなじみやすい大きな瞳をかなえるワンデータイプのサークルレンズです。
3つのカラーが重なり合う「トーンエフェクト」で、みずみずしいフルーツのような瞳を実現します。UVカット機能と色素が露出しないサンドイッチ構造で瞳を守り、高含水素材と保湿成分で快適さをキープします。
シードの「Eye coffret 1day UV M(アイコフレ ワンデーUV M)」は、気分やシーンに合わせて選べるワンデータイプのサークルレンズです。
保存液に天然保湿成分「アレルギン酸」を配合し、瞳のうるおいをサポート。UVカット機能で有害な紫外線から瞳を守ります。
また、シードオリジナルの「スムース・エッジ・デザイン」で快適な装用感を実現します。インナーカラー構造で瞳に色素が直接触れないのも特長です。
アルコンの「フレッシュルック デイリーズ イルミネート」は、瞳をより魅力的に見せたい大人のためのワンデーカラコンです。
複数のカラーとデザインを組み合わせて、単色では表現できない立体感と自然の色合いを実現し、大人っぽい華やかさを演出します。
保水性と形状保持性が優れているため、快適な装用感を求める方にもおすすめです。
カラコン選びで失敗しないためには、自分の目に合うBC・DIA・着色直径を知っておくことが大切です。必ず眼科を受診して正確に計測してもらいましょう。
カラコンは見た目の印象を重視して、色やデザインばかりが気になりがちですが、目の健康に配慮することも重要です。記事の内容を参考にして、自身の目に合ったカラコンを選び、安全におしゃれを楽しんでください。
更新日:2024/3/14