「カラコン(カラーコンタクト)は好きだけれど、付け外しが苦手……」とお悩みの方は少なくありません。たしかに、カラコンの着脱にはある程度の「慣れ」が必要です。しかし、正しい装用方法をマスターしてちょっとしたコツをつかめば、だれでも失敗せずに使えるようになります。
今回は、正しいカラコンの付け方・外し方と失敗を防ぐコツを解説します。カラコン初心者の方、初心者ではないけれどいつの間にか自己流で付け外しをするようになっている方は、この記事を参考に正しい着脱方法をマスターしてください。
カラコンの正しい着脱方法を解説する前に、カラコンを取り扱う際に確認すべきことを紹介します。チェックしなければならないのは、「爪」「目」「カラコン」の状態です。
カラコンは、指の腹部分を使って着脱しますが、爪が長すぎるとうまく付け外しができません。また、爪の先が滑らかになっていないと、カラコンや目を傷つけるおそれがあります。
このようなリスクを避けるためにも、カラコンを取り扱う前には必ず爪の長さや先端の状態を確認してください。
カラコン装用前は、目の状態を確認することが大切です。特に、目に痛みやかゆみなどがある場合は、無理にカラコンを装用してはいけません。装用中に症状が現れた場合にも、すぐにカラコンを外してください。
また、充血や目やにがある場合にも、目に何かしらの異常が生じている可能性があります。早めに眼科を受診して、カラコンが装用できる状態かどうかをみてもらいましょう。
カラコンを装用する前に、レンズにキズや破れ、汚れがないかを必ずチェックし、少しでも気になる部分がある場合は使用を避けましょう。
使用期限や使用期間が切れているカラコンの装用もNGです。期限・期間が切れているカラコンは酸素透過性などが低下しているおそれがあるため、すぐに廃棄してください。
また、左右で度数が違うカラコンを使っている場合は、度数の確認も忘れないようにしましょう。
本章では、カラコンの正しい付け方と失敗を防ぐコツを紹介します。
初心者の方でも簡単にできる、カラコンの付け方を見ていきましょう。
手指が汚れていると、カラコンや目に雑菌などが付いて目のトラブルをまねくおそれがあります。
このようなリスクを減らすためにも、カラコンに触れる前には手指を石けんで洗い、汚れをしっかり洗い流してください。このとき、爪の間も忘れずに洗いましょう。
手を洗ったあとは、清潔なタオルなどで水分をしっかり拭き取ってください。
爪を当てないように気を付けながらカラコンを取り出したら、利き手の人差し指の先にのせて裏表を確認しましょう。レンズがきれいなお椀型になっていれば大丈夫です。レンズの縁が不自然に反っている場合は、裏表が逆になっています。
裏表をチェックしたら、汚れやキズ・欠け・破れ、変色や変形がないかなども確かめてください。これらの異常があるレンズは安全に使えないので、装用してはいけません。すぐに廃棄して、新しいカラコンを用意しましょう。
カラコンのチェックが終わったら、指を使ってまぶたを大きく開きましょう。
下まぶたは、カラコンをのせている利き手の中指を使って大きく引き下げ、上まぶたは、反対側の手の人差し指か中指を使って引き上げます。
このとき、まぶたをしっかり押さえておくと、無意識のうちにまばたきしてしまうのを防げます。
指でまぶたをしっかり固定したら、ゆっくりとやさしく黒目の上にカラコンをのせます。目にのせたカラコンは自然にフィットするので、強く押さえつける必要はありません。
目に指を近づけるのが怖い場合は、指先ではなく鏡の中の自分を見るようにしましょう。このようにすれば、近づいてくる指先を見なくて済むので、無理なくカラコンを装用できます。
カラコンを黒目の上にのせたら、ゆっくりと指を外します。正しい位置にレンズがのっていることを確認したら、やさしく数回まばたきをしてカラコンを目になじませましょう。このようにすると、黒目の上でカラコンが安定します。
目に違和感がなければ、これで装用完了です。もう片方の目も、同様の手順でカラコンを装用してください。
「正しい手順でやっているはずなのに、上手にカラコンを付けられない」という場合は、以下の「失敗しないコツ」を実践してみてください。
手指を洗ったら、よく水分を拭き取って、指先を乾かすようにしましょう。
指が濡れていると、カラコンが指に貼り付いて装用しにくくなります。また、水分が残っていると指が滑りやすくなるため、まぶたをしっかり開けません。
手指をしっかりと乾燥させるだけで、装用のしやすさは格段に変わります。
カラコンの装用に失敗しないためには、「焦らずゆっくり」を心がけることも大切です。
カラコンを黒目にのせたあと、指を急に離すとカラコンが外れることがあります。また、カラコンを目になじませる際にパチパチと強くまばたきをすると、せっかくはめたカラコンが外れてしまうこともあります。
そのような場合には、カラコンを黒目の上に正しくのせ、ゆっくりと指を離し、ゆっくりとまばたきをしてください。そうすれば、しっかりとレンズが目になじみます。
ここからは、カラコンの正しい外し方と失敗を防ぐコツを紹介します。
カラコンを安全に外す手順は、以下のとおりです。
カラコンを外すときも、手指の洗浄は大切です。ワンデータイプのように外して捨てるだけのレンズでも、手指をきれいに洗ってから取り扱うようにしましょう。
外出先などでやむを得ずカラコンを外す場合も、手指の洗浄は忘れないでください。手指を石けんで洗い、汚れを洗い流したら、清潔なタオルなどで水分をしっかり拭き取りましょう。
カラコンを外す前に、鏡を使ってレンズが黒目の上にきちんとのっていることを確認しましょう。黒目の上にレンズがない場合は、鏡を見ながら上下左右に目をゆっくりと動かし、カラコンを探してください。
ただし、カラコンが見つかっても無理に動かしてはいけません。目薬などで目を潤したあと、目を閉じてまぶたの上からカラコンをやさしく押さえ、黒目がレンズのほうを向くように動かしてください。その後、ゆっくり目を開くとカラコンが黒目の上に戻るでしょう。
カラコンが正しい位置にあるのを確認できたら、指を使ってまぶたを大きく開きます。
下まぶたは、利き手の中指を使って大きく引き下げ、上まぶたは、反対側の手の人差し指か中指を使って引き上げます。
装用時と同じようにまぶたを押さえると、無意識のまばたきを防ぐことが可能です。
指でまぶたを大きく開いたら、利き手の人差し指でカラコンを黒目から下の白目のほうへずらします。このとき、白目の上にカラコンの下半分がのるくらいの位置までずらすのがポイントです。
ただし、カラコンをずらす際に、レンズを強く押さえつけたり爪で目を傷つけたりしないように注意しましょう。
カラコンを白目のほうにずらしたら、利き手の親指と人差し指の腹を使い、レンズの下のほうを軽くつまんで外します。
カラコンを外したあとは、目の状態を確認してください。痛みや充血などがある場合は放置せず、早めに眼科を受診しましょう。
なお、ワンデータイプ以外のカラコンでは、デイリーケアが必要です。専用のケア用品でしっかり洗浄して、清潔なケース内に保存液を満たして保存しましょう。
カラコンを外すときも、ちょっとしたコツを知っておくだけで失敗が少なくなります。
カラコンを外すときも、手指をしっかりと乾燥させましょう。
指が濡れていると、カラコンをつまもうとしても滑ってしまい、うまく外せません。また、指が滑るとまぶたをしっかり開くのも難しくなります。
失敗を防ぐためにも、カラコンを扱うときは「手指をしっかり洗って水分を拭き取る」ことを習慣にしてください。
カラコンが目に貼り付いている場合も、外すのが難しくなります。
無理やり取ろうとすると目にキズが付くおそれがあるので、外す前に目薬をさして目を潤すようにしましょう。目が潤うとカラコンが動きやすくなり、外しやすくなります。目薬を用意していない場合は、まばたきを繰り返して目を潤すとよいでしょう。
なお、目薬はカラコン用のものを選んでください。カラコン用ではない目薬を使うと、防腐剤によってレンズが変形・変色したり、目にトラブルが生じたりすることがあります。
カラコンの付け外しは、慣れてしまえばそれほど難しいものではありません。また、今回紹介したコツを知っておけば、より簡単に付け外しができるようになるでしょう。
とはいえ、自己流の方法では目やレンズを傷つけるおそれがあります。瞳の健康を守ってカラコンを楽しむためにも、正しい付け方・外し方をしっかりマスターしておきましょう。