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ドライアイの原因はコンタクトレンズ?知っておきたい予防法とコンタクトレンズの選び方

ドライアイの原因はコンタクトレンズ?知っておきたい予防法とコンタクトレンズの選び方

コンタクトレンズ装用時に、目の乾燥や疲れを感じることはありませんか。もしかすると、それはドライアイのせいかもしれません。

実は、コンタクトレンズはドライアイを悪化させる危険因子の一つです。ただし、ドライアイの悪化要因はコンタクトレンズだけではありません。また、最近はドライアイになりにくいコンタクトレンズも販売されています。

そこでこの記事では、ドライアイの症状や原因、予防法のほか、ドライアイになりにくいコンタクトレンズの選び方などを解説します。簡単にできるドライアイのセルフチェックリストも紹介するので、目の乾燥にお悩みの方はぜひトライしてみてください。

■ドライアイとは?

まずは、ドライアイがどのようなものなのかを知っておきましょう。

ドライアイは、単なる「乾き目」ではありません。涙の量不足や、涙液の安定性が低下して目の表面にとどまる力が弱くなることで生じる「涙の病気」です。ドライアイになると涙がうまく行きわたらなくなるため、目の表面が乾いて傷つきやすくなります。

日本国内で行なわれた調査によると、40歳以上の人の2割近くがドライアイだったとのことです。また、オフィスで働く人を対象とした調査では、6割以上がドライアイ、もしくはドライアイの疑いあり、と診断されています。 

■ドライアイの症状と原因

それでは、ドライアイになるとどのような症状があらわれるのでしょうか。ドライアイの原因と併せて見ていきましょう。

◇ドライアイの症状

ドライアイになると、目の乾きのほか、ゴロゴロ感、目を開けにくい、目が疲れやすいなどの症状があらわれることがあります。また、見づらさを感じる場合も少なくありません。

ドライアイ研究会によると、以下のチェック項目に5つ以上あてはまる場合はドライアイの可能性があります。

l  目が疲れる

l  目が重たい感じがする

l  目がゴロゴロする

l  目が乾いた感じがする

l  目に不快感がある

l  目がヒリヒリ痛い

l  目が赤くなりやすい

l  目がかゆい

l  朝、目が開けにくい

l  光をまぶしく感じやすい

l  白っぽい目ヤニがでる

l  なんとなく見えづらい

l  時々かすんで見える

l  最近少し視力が低下したようだ

もっとも、これらの症状は別の病気でも生じることがあります。気になる症状がある場合は、早めに眼科を受診して医師の診察を受けましょう。

◇ドライアイの原因

一般的に、ドライアイの発症は年齢による変化や生活環境の影響が大きいとされています。特にドライアイに悪影響をおよぼすとされているのが、パソコンなどの長時間の使用、空気の乾燥、コンタクトレンズの使用などです。

・パソコンなどデジタル機器の長時間使用

パソコンやスマートフォンなどの画面を見続けると、まばたきの回数が減って目が乾きやすくなります。また、デジタル機器を長時間使用すると交感神経が興奮状態となって、涙の量が減ることもあるようです。

・空気の乾燥

低温・低湿度の環境下では涙が蒸発しやすくなるため、ドライアイが悪化しやすくなります。特に冬場は気温が低く湿度が低いため、注意しなければなりません。夏場でも、エアコンの効いている室内で長時間過ごしたり、直接風にあたったりすると、ドライアイが悪化しがちです。

・コンタクトレンズの使用

コンタクトレンズを使用すると、涙の層がレンズの表側と裏側で分断されてしまいます。そして、涙の層が薄くなると涙液の安定性が損なわれるため、ドライアイの悪化をまねくと考えられています。

・その他の原因

その他、ストレス、加齢、病気、薬の副作用、夜型生活をはじめとした不規則な生活なども、ドライアイの原因となることがあります。

■ドライアイとコンタクトレンズの関係

ここで、ドライアイとコンタクトレンズの関係を、もう少し詳しく解説します。

コンタクトレンズを装用すると、涙の層がレンズの表側と裏側で分けられてしまうことはすでに述べたとおりです。涙の層が薄くなると涙の状態が不安定になり、同時に涙が蒸発しやすくなるため、ドライアイの悪化をまねきやすいと考えられています。

また、ソフトコンタクトレンズを使用している場合は、長時間使用にともなうレンズの乾燥の影響も無視できません。ソフトコンタクトレンズは水分を多く含むため、装用感は良いですが、レンズが乾燥してくると水分量を維持するために涙を吸収してしまい、目が乾燥しやすくなるのです。

さらに、コンタクトレンズに汚れが付着していると涙が広がりにくくなるため、ドライアイを悪化させるおそれがあります。

このようなことから、コンタクトレンズを使用する際には、ドライアイの発症・悪化に注意しなければなりません。

■ドライアイを予防する方法

それでは、ドライアイを予防するにはどうすれば良いのでしょうか。ポイントは、目を酷使しないこと、涙が蒸発しやすい環境を作らないこと、目の潤いを保つことです。

◇目を休ませる

パソコンやスマートフォンなどを長時間連続で使用すると、目に負担がかかり涙の分泌量が減るおそれがあります。適度に休憩して、目を酷使しないようにしましょう。

モニター画面の明るさや文字の大きさを変更して、目が疲れないようにするのも良い方法です。また、モニター画面を目線より下の位置に置くと、目を大きく開かなくて済むため乾燥予防になります。

そして、コンタクトレンズを使用している場合は装用時間を短くするなどして、目を休ませるようにしてください。

◇空気の乾燥を防ぐ

空気が乾燥していると、涙が蒸発しやすくなります。

エアコンを使用している場合は、加湿器を使うなどして室内の湿度を保つようにしましょう。加湿器がない場合は、濡れタオルなどを室内に置いておくのもおすすめです。

なお、エアコンや扇風機を使っている場合は、目に直接風をあてないようにして乾燥を防いでください。

◇目の潤いを保つ

ドライアイを予防するためには、目の潤いを保つ工夫も必要です。まばたきの回数を意識して増やしたり、必要に応じて目薬を使ったりして、目の乾きを防ぎましょう。

目は眠っている間に乾燥が進むため、目薬を使うなら起床時や寝る前がおすすめです。目の疲れがたまりやすい午後から夕方にかけての時間帯も、目の乾きを感じたら目薬を使うようにしてください。

ただし、目薬を使い過ぎると涙の油膜層が破壊されて目に傷が付くことがあります。使用時には用法用量を守って、使い過ぎないようにしましょう。

コンタクトレンズを使用している場合は、目が乾きにくいタイプのコンタクトレンズを選んでください。最近は、ドライアイに配慮した製品も多数販売されています。眼科を受診すれば目の状態に応じたコンタクトレンズを処方してもらえるので、気になる症状がある場合は医師に相談することをおすすめします。

■ドライアイになりにくいコンタクトレンズの選び方

ここからは、ドライアイに悩む方に向けて、コンタクトレンズ選びのポイントを紹介します。

◇含水率が低いレンズを選ぶ

ドライアイの方には、目が乾燥しにくいハードコンタクトレンズがおすすめです。

ハードコンタクトレンズは水分を含まない素材で作られており、レンズから水分が蒸発したり涙が吸収されたりしません。そのため、ソフトコンタクトレンズよりも目の乾燥感は少なめです。

ハードコンタクトレンズが苦手で、ソフトコンタクトレンズの使用を希望する場合は、含水率の低いレンズを選ぶようにしましょう。

含水率とは、コンタクトレンズに含まれる水分量の値です。含水率が高いと蒸発する水分量が多くなるため、より多くの涙がレンズに吸収されて目の乾燥をまねきます。一方、含水率が低いと蒸発する水分量は少なく、涙もあまり奪われません。

したがって、目の乾燥が気になる場合は、ハードコンタクトレンズか含水率50%未満の低含水レンズを選ぶようにしましょう。

◇レンズ表面がなめらかなレンズを選ぶ

コンタクトレンズの表面がなめらかな商品を選ぶことも、非常に大切です。

コンタクトレンズの表面がなめらかでないと、装用時に摩擦が起きて目に負担がかかるため、ドライアイが悪化しかねません。一方、レンズの表面がなめらかであれば摩擦が起きにくいため、目にかかる負担を軽減できます。

レンズ表面がなめらかなものは着け心地が良いため、迷ったら装用感にこだわって開発されたレンズを選ぶようにしましょう。

◇酸素透過率の高いレンズを選ぶ

目に供給される酸素の量が少なくなると、角膜の代謝が低下して目に障害が起きやすくなります。したがって、ドライアイが気になる場合は酸素透過率が高いレンズを選ぶようにしましょう。

特におすすめなのが、シリコーンハイドロゲル素材のコンタクトレンズです。シリコーンハイドロゲル素材のレンズは、酸素透過率が高く含水率が低いため、目の負担を抑えながら乾燥も防げます。

◇汚れが付きにくいレンズを選ぶ

コンタクトレンズの表面が汚れていると、涙がうまく広がらなくなるためドライアイをまねきやすくなります。そのため、ドライアイのリスクを減らすには、汚れの付きにくい素材のレンズを選ぶことも大切です。

たんぱく質汚れが気になる場合は、非イオン性のレンズを選ぶとよいでしょう。メイクする頻度が高い方には、皮脂汚れに強い両性イオン素材のレンズがおすすめです。シリコーンハイドロゲル素材のレンズも、汚れが付きにくい特徴があります。

なお、レンズケアが十分にできない場合は、使い捨てのワンデータイプがおすすめです。

■まとめ

ドライアイは、目が乾くだけではなく、目の不快感や違和感、視力低下などをともなうこともある涙の病気です。ドライアイの原因はいろいろありますが、コンタクトレンズの使用で症状が悪化する場合も少なくありません。したがって、ドライアイが気になる場合は、目の潤いを保ちやすいコンタクトレンズを選ぶようにしましょう。

ドライアイに優しいコンタクトレンズ選びのポイントは、含水率の低さ、レンズ表面のなめらかさ、酸素透過率の高さ、汚れの付きにくさなどです。定期的に眼科を受診して、目の状態に応じたコンタクトレンズを処方してもらうようにしましょう。

なお、ドライアイの症状がひどい場合は、早めに眼科を受診してください。目の健康を維持するために、適切な治療を受けて症状の悪化を防ぎましょう。

更新日:2024/3/5