コンタクトレンズを安全に使用するためには、眼科を受診して処方箋を発行してもらう必要があります。しかし、初めてコンタクトレンズを購入してから特にトラブルがない場合や、同じコンタクトレンズを継続使用したい場合などは、再度眼科を受診するべきか悩むかもしれません。また、初回とは違う方法で、コンタクトレンズを購入したい方もいるでしょう。
そこでこの記事では、2回目以降におけるコンタクトレンズの買い方を、購入する場所別に紹介します。2回目のコンタクトレンズ購入時に眼科受診が必要なケースや、眼科を受診しなかった場合の注意点なども解説しますので、眼科受診を迷っている方はぜひ参考にしてください。
コンタクトレンズ購入までの流れは、1回目と2回目で大きく変わりませんが、2回目のほうが簡単に購入できるのが一般的です。ここでは、レンズ変更なしで2回目のコンタクトレンズを購入する方法を、眼科・コンタクトレンズ専門店・インターネット通販の場合に分けて紹介します。
コンタクトレンズの処方には保険が適用されるため、眼科でコンタクトレンズを購入する際は、健康保険証かマイナンバーカードを持っていきましょう。3割負担の場合、再診料は300~900円程度です。
コンタクトレンズの使用で特に問題がない場合は、前回と同じレンズを継続購入できます。レンズの再選定や度数の調整などが必要ないため、検査・診察は短時間で済むことがほとんどです。
検査や診察の内容はクリニックごとに多少異なりますが、以下のような流れになることが多いでしょう。
ただし、検査や診察の結果によっては、コンタクトレンズの変更を提案されることがあります。その場合は、レンズの選定やフィッティング、度数の決定などのステップが加わりますが、検査に要する時間が初診時より長くなることはあまりありません。
なお、眼科を受診する際は、目に痛みなどの異常がない限りコンタクトレンズを装用したままで大丈夫です。ただし、検査や診断の結果によってはコンタクトレンズを装用できなくなるため、メガネがある場合は念のため持参するほうがよいでしょう。
コンタクトレンズ専門店を利用する場合は、店舗選びが重要です。定期的な購入を予定しているなら、学校や職場、自宅の近くなど、利用しやすい場所にある店舗を選ぶとよいでしょう。店舗によって取扱商品が若干異なるため、あらかじめ問い合わせをしておくと安心です。
コンタクトレンズ専門店では、処方箋の提示や商品の選択のあと、注意事項や割引特典などの説明があり、店舗に在庫があれば希望のコンタクトレンズをすぐに購入できます。
ただし、有効期限が切れた処方箋ではコンタクトレンズを購入できません。処方箋の有効期限は眼科医の判断によって異なるため、処方箋を受け取ったらまず有効期限を確認して、期間内にコンタクトレンズを購入するようにしましょう。
処方箋なしでコンタクトレンズを購入できる店舗の場合、ベースカーブや度数、サイズといったレンズデータが記載されているパッケージなどを持参すれば、前回と同じものを購入できます。前回コンタクトレンズを購入した店舗では、過去の購入データを参照できることもあるため、購入店舗を1つに決めておくのも良い方法です。
なお、コンタクトレンズ専門店で眼科の受診をすすめられることもあります。そのような場合は、眼科を受診して処方箋を発行してもらったうえで、自分の目に合うコンタクトレンズを購入しましょう。
インターネット通販でコンタクトレンズを購入する場合は、「高度管理医療機器販売業 許可番号」と「問い合わせ先」が掲載されているサイトを選びましょう。
コンタクトレンズは高度管理医療機器の一種であり、厚生労働省の許可がないサイトや店舗での販売は禁止されています。許可番号が掲載されていないサイトは、厚生労働省の許可を得ずにコンタクトレンズを販売している可能性が高いため、利用を避けるべきです。
購入サイトが決まったら商品を選び、レンズデータを入力します。送付先や支払方法などを指定して注文ボタンをクリックすれば、注文は完了です。商品が届いたら、レンズデータをチェックして正しい商品かどうかを確認しましょう。
なお、インターネット通販では、処方箋提示の有無で値段が変わることがあります。そのため、有効期限内の処方箋がある場合はあらかじめ用意しておきましょう。処方箋がない場合は、レンズデータが記載されているパッケージなどを用意してください。
購入履歴のある会員制サイトでは、前回購入したレンズのデータを呼び出せることもあるため、入力の負担を減らせます。
それでは、2回目のコンタクトレンズ購入で眼科受診が必要になるのは、どのような場合でしょうか。ケースごとに眼科受診の要否を見ていきましょう。
現在のコンタクトレンズを問題なく使用できており、有効期限内の処方箋でコンタクトレンズを購入する場合は、原則として眼科受診の必要はありません。コンタクトレンズ専門店やインターネット通販のサイトに処方箋を提示すれば、処方箋に記載されたコンタクトレンズを購入できます。
ただし、前回の受診から3ヵ月以上経っている場合は、処方箋の期限が切れていなくても眼科を受診しましょう。後述しますが、目の健康を維持してコンタクトレンズの装用を続けるためには、3ヵ月に1回の頻度で眼科受診が必要です。
コンタクトレンズの購入には、基本的に有効期限内の処方箋が必要です。したがって、有効期限内の処方箋が手もとにないなら、必ず眼科を受診してください。
視力や目の健康状態は、日々変化する可能性があります。そのため、眼科で診察を受け、目の状態に応じたコンタクトレンズを処方してもらうことは、とても大切です。
初回と同じ眼科を受診すれば、レンズデータなどはすでに測定済みなので、スムーズに進むでしょう。処方箋なしでコンタクトレンズを購入できる店舗もありますが、目の健康を守るために、処方箋は必ず発行してもらってください。
コンタクトレンズの度数やメーカー、種類などを変更したい場合は、眼科を受診して再度検査を受けなければなりません。自己判断で度数を調整すると、目が疲れやすくなったり、肩こりや頭痛などをまねいたりするおそれがあります。
また、前回のレンズデータをもとに、今までと違うコンタクトレンズを購入するのもおすすめできません。コンタクトレンズは、メーカーや種類が異なると、素材やレンズの厚さ、装用感なども変わります。そのため、レンズデータが同じ商品を選んだとしても、「違和感がある」「見えにくい」といったトラブルが生じかねません。
このようなことから、度数の変更も含めて前回と違うコンタクトレンズを希望する場合は、眼科を受診して処方箋を発行してもらうことをおすすめします。
目に痛みや違和感がある場合、コンタクトレンズを装用しても見えにくさがある場合などは、なるべく早く眼科を受診しましょう。
眼科では、視力の検査だけではなく、角膜の状態や感染症の有無の確認、ドライアイのチェック、緑内障をはじめとした眼病の検査なども受けられます。また、眼科を受診すれば、コンタクトレンズの装用に関する不安や疑問などを医師に相談することも可能です。
目の健康を守るためにも、痛みなどの異常がある場合は速やかに眼科を受診するようにしましょう。
目やコンタクトレンズの状態に特に問題がなく、2回目のコンタクトレンズ購入時に眼科を受診しなかった場合でも、以下の2点は守るようにしましょう。
目の状態は常に同じとは限りません。度数はもちろん、見え方も変化するうえに、目の病気のなかには自覚症状の乏しいものもあります。
実際、目に痛みやかゆみなどの自覚症状がなくても、角膜に何らかの異常が生じているケースは少なくありません。特に、コンタクトレンズ障害の重症例は、定期受診の間隔が3ヵ月以上空いている人が多いという調査報告もあります。
したがって、気になる症状がなくても、3ヵ月に1回は眼科を受診しましょう。
目に痛みやかゆみ、充血などの異常が生じた場合は、コンタクトレンズを外してすぐに眼科を受診しましょう。たとえ症状が軽くても放置せず、早めに眼科医の診察を受けてください。
コンタクトレンズ装用にともなう不快感などがある場合も、眼科受診をおすすめします。コンタクトレンズのキズや汚れなどで不快感が生じることもあるため、外したレンズも持参して装用の可否を相談してください。
コンタクトレンズ購入が2回目以降の場合は、眼科を受診して処方箋を発行してもらってから眼科やコンタクトレンズ専門店で購入したり、処方箋なしでコンタクトレンズ専門店やインターネット通販で購入したりする方法があります。
眼科を受診せずにコンタクトレンズを購入する場合でも、3ヵ月に1回は眼科を受診して目の健康状態を確認してもらいましょう。また、前回とは違うコンタクトレンズを購入したい場合や目に何らかの異常がある場合は、必ず眼科を受診してください。
コンタクトレンズを安全に使い続けるために、できれば2回目以降も眼科を受診して、目の健康に配慮しながらコンタクトレンズライフを楽しみましょう。
更新日:2025/1/26