コンタクトレンズによる目のトラブルは年々増加傾向にあります。 他人と交換したり、使用期限を守らなかったり、正しいケアや使用方法を怠ることで目の病気を引き起こします。 コンタクトレンズの使用に慣れてきた今だからこそ気をつけましょう。
近年、コンタクト利用者は中高生を中心に年々増加し、さらにコンタクト装用者の10人に1人は眼障害が生じています。 コンタクトレンズは目に直接入れる高度管理医療機器です。
より正しいコンタクトレンズの使用方法を確認し、目のトラブルを防ぎましょう。
現在はオンラインショップでコンタクトを気軽に購入できるようになったことから、ネット上でさっと購入する人が多いようです。仕事や育児で忙しく、なかなか実店舗に行けないという人にとってオンラインショップは確かに便利な存在ですよね。
しかしながら、まったく眼科医の検査・処方を受けることなくコンタクトを購入するのは大変危険な行為です。おしゃれ感覚で装用できることから、ファッションアイテムと思われがちなコンタクトですが、れっきとした高度管理医療機器であります。
医師の処方箋なしに購入した場合、レンズが目に合っておらずにさまざまなリスクを招いてしまうことも。しかし、それも眼科できちんと検査を受ければ、自分に合う度数やカーブ、レンズの直径を教えてもらうことができます。
また、「一度眼科医の処方を受けているから、次回からはネットで購入しよう」という人もいますが、瞳の状態や度数は時の経過とともに変わっていきます。目の負担を減らすためには、コンタクトを購入するたびにきちんと検査を受けるようにしましょう。
誤ったコンタクトの使用で起こりうる目のトラブル
コンタクトの選び方や使用方法を誤ると、重大な目のトラブルを招いてしまうことがあります。代表的な眼病を紹介していきます。
巨大乳頭性結膜炎
上まぶたの裏側にぶつぶつとした乳頭が発生する巨大乳頭性結膜炎。アレルギー性結膜炎の一種であり、花粉症の人が発症しやすいと言われていますが、コンタクトレンズにアレルギー反応を示すことでも発症します。
目がかゆくなったり、目ヤニが多くなったりするのは巨大乳頭性結膜炎の初期症状です。コンタクトレンズがずれたりくもりやすくなったりと、違和感を覚えやすくなります。
角膜新生血管
巨大乳頭性結膜炎と違って、自覚症状が出にくいのが角膜新生血管の特徴です。普段コンタクトをしていると瞳はどうしても酸素を取り入れにくくなり、角膜が酸素不足を起こしてしまいます。こうなると白目のほうから新しく増殖した血管が角膜に侵入してきます。この症状が角膜新生血管と呼ばれるものです。
この症状は角膜混濁を起こしやすく、視覚障害を引き起こすおそれもあります。自覚症状が出にくいため、定期的に眼科で検診を受けてチェックするようにしましょう。
角膜びらん
角膜びらんとは、角膜の上皮が部分的にはがれてしまう症状のことです。角膜にはさまざまな層が重なってできているものですが、角膜上皮はそれらの最も上にあるもので、はがれてしまうと角膜上質がむきだしになってしまいます。
角膜びらんは必ずしもコンタクトが原因で起こる症状ではありませんが、コンタクトをつけっぱなしにしたり、長時間使用していたりすると起きやすくなります。
主な自覚症状として目の痛みやまぶしさ、ゴロゴロ感などが挙げられます。気づくのが遅いと完治まで長引くので、違和感を覚えたらすぐに眼科を受診しましょう。
使用済みのコンタクトは共有しないことです。 洗浄済みなので清潔と考え、他人に貸し借りするケースがあります。 しかし、ある程度の汚れや細菌は洗浄されても、微量の細菌が残っています。 他人の目の菌を入れることになり、角膜の炎症や損傷が原因の眼障害を引き起こす可能性があります。
また、未開封なら大丈夫と考えて、友達やカップル、家族内での貸し借りをするのも避けましょう。 コンタクトレンズは個人の目の状態にあわせて処方された高度管理医療機器なので、度数やコンタクトの種類、乱視の有無など個人ごとに違います。 たとえ度数が同じであったとしても、他人のコンタクトの装用は視力の低下などに影響を及ぼす可能性が高くなります。
ソフトレンズはワンデーや2WEEK、1か月交換のものが一般的です。 トラブルを放っておくと、失明や眼障害になる恐れがあります。 正しい洗浄をしていても傷や汚れが蓄積していきます。
2WEEKタイプ、1か月タイプのものは、開封日を付けておかないと使用期限を過ぎているのに使い続けていた!なんてことがあります。 傷や汚れの付着したコンタクトを装用し続けていると、目の一番外側にある角膜という部分が酸素不足になったり傷ついたりしてしまいます。 そこから細菌が侵入することで、角膜びらんや感染性角膜炎といった眼障害を引き起こしてしまうおそれがあります。 コンタクトの汚れや傷は目では確認しづらいため、気付かないうちに痛みや痒みなどの症状が現れます。
症状が現れた場合、即座に使用を中止し眼科に行きましょう。 使用期限を守ることは、目のトラブルを避ける第一の予防策になります。 カレンダーやスケジュール帳に使用開始日を分かりやすく記入するなど、使用期限を守ることを心掛けましょう。
コンタクトレンズを装用しているときは、裸眼の状態やメガネを使用しているときとは異なる注意点があります。
例えば、化粧品や整髪料などを触った手でコンタクトレンズを装用すると、レンズに脂質が付着してしまうことがあります。 特に女性の場合は、レンズにマスカラやファンデーションなどがつきやすいため注意が必要です。 また、手を洗わずにレンズを外すと、レンズや目の中にゴミや汚れなどがついてしまう可能性が高くなります。
レンズの汚れは洗浄することによって落ちますが、適切なケアが行われていないと汚れが蓄積していき、目の病気につながってしまうこともあります。
また、コンタクトレンズを装用したままプールに入ることもやめましょう。水中にはさまざまな細菌や雑菌がおり、その雑菌がレンズに付着することで感染症などを引き起こす可能性があります。また、プールに含まれる塩素が、レンズに悪影響を与えてしまうこともあります。プールに入るときはレンズを外し、度付きゴーグルを使用するなどの対策を取りましょう。
使い捨てワンデータイプ以外のコンタクトレンズを装用する場合は、必ず毎日のケアが必要です。 「疲れているから」、「今日は装用時間が短かったから大丈夫」などと自己判断し、レンズのケアを怠ることは絶対にやめましょう。 正しく洗浄を行わずにいるとレンズが汚れてしまい、目のトラブルにつながることがあります。 自宅ではもちろん、旅行先などにも洗浄液とレンズケースを持参し、必ずケアを行いましょう。
また、レンズ自体はもちろん、コンタクトレンズケースも清潔に保ち、洗浄・定期的な交換を行うことが必要です。 意外かもしれませんが、ケースの中にも雑菌が繁殖しやすいのです。 装用後はレンズケースを水道水で洗い、清潔なタオルの上に置いて自然乾燥させましょう。 また、1か月半~3か月程度で、新しいケースと交換しましょう。
今回は、コンタクトレンズのトラブルについてご紹介しました。 決まりをしっかりと守って安全に装用し、目の健康を保ちましょう。
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