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どうする!花粉症シーズンのコンタクトレンズ対策!

花粉症でもコンタクトレンズをしたい!花粉症シーズンを快適に乗り切る対策を全解説

春先は、ひどい目のかゆみや鼻水など花粉症の症状がある人にとっては、とても辛い時期です。花粉症シーズンにコンタクトレンズを使用すると、目にもレンズにもトラブルが発生しやすくなります。しかし、「コンタクトレンズをしない生活は考えられない!」という方も少なくないはずです。

そこで今回は、コンタクトレンズを装用しながら花粉症シーズンを乗り切る方法を解説します。花粉症シーズンに使いやすいレンズの選び方も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

■花粉症で目に不快な症状があらわれる理由

まずは、花粉症で目に不快な症状があらわれやすい理由を知っておきましょう。

目は外界に接し、その表面は粘膜で覆われています。そのため、空気中の花粉が直接入りやすく、体の他の部位よりも付着しやすい状態にあるのです。

また、花粉症の原因となる成分(アレルゲン)は涙に溶けやすく、目に入った花粉は涙液で目の表面全体に運ばれてしまいます。目の粘膜内にあるマスト細胞(アレルギー反応を伝える細胞)がアレルゲンを認識すると、ヒスタミンと呼ばれる物質が放出されてかゆみや充血などを発症します。特に、まぶたの裏側から白目を覆っている結膜は免疫に関与する細胞や血管が豊富であるため、アレルギー症状があらわれやすいとされています。

■花粉症がコンタクトレンズ装用に与える影響

 それでは、花粉症のときにコンタクトレンズを装用すると、レンズや目にどのような影響が生じるのでしょうか。

◇コンタクトレンズが曇る

コンタクトレンズを装用すると、花粉などの空気中の異物や汚れがレンズに付着します。また、花粉症になると涙や目やにが出やすくなるため、普段よりレンズ汚れが蓄積しがちです。

このような汚れを放置すると、レンズが曇ったり視界がかすんだりしやすくなります。もちろん、レンズ汚れはケア用品を使えば取り除けますが、正しい方法でケアしなければレンズを清潔に保つことはできません。

そのため、花粉症の時期にコンタクトレンズを装用する場合は、いつも以上に適切なレンズケアを心がける必要があります。

◇目に違和感や痛みが生じやすくなる

花粉症になると、ヒスタミンによって知覚神経が刺激されるため、痛みなどの症状があらわれやすくなります。また、目にとってはコンタクトレンズも異物なので、花粉症の時期に装用すると、異物感や痛みがより強くなることも珍しくありません。さらに、レンズに付着した汚れが、アレルギー症状や炎症の悪化を招くこともあります。

目のかゆみや痛みがある状態でコンタクトレンズの装用を続けると、目をこするなどして症状をさらに悪化させてしまうことがあります。ソフトコンタクトレンズの場合、装用すると痛みが一時的にやわらぐこともありますが、レンズの装用は角膜への負担になるため、症状がさらに悪化することになるでしょう。

目の健康を守るためにも、違和感や痛みが強い場合はコンタクトレンズの装用時間を短くする、装用をやめるなどして、目を十分に休ませてください。それでも痛みや異物感が続く場合は、早めに眼科を受診して適切な治療を受けましょう。

◇コンタクトレンズがずれたり外れたりする

花粉症の時期に、コンタクトレンズがずれたり外れたりする頻度が高い場合は、巨大乳頭性結膜炎を発症している可能性があります。

巨大乳頭性結膜炎は、結膜のアレルギー症状が悪化した際に起こる炎症です。まぶたの裏に乳頭(ブツブツとした突起)がたくさんできるため、まぶた全体が腫れたり、乳頭が当たって角膜が傷付いたりすることもあります。

また、まばたきするたびにコンタクトレンズが乳頭に引っかかるため、レンズが上方にずれやすくなるのも特徴です。

巨大乳頭性結膜炎を放置してコンタクトレンズを使い続けると、症状がさらに悪化して治るまでに数ヵ月かかることもあります。コンタクトレンズがずれやすいと感じたら、すみやかに眼科を受診して治療を受けましょう。

■花粉症シーズンにはメガネの着用がおすすめ

花粉症シーズンに無理やりコンタクトレンズを使用すると、目にもレンズにも悪影響がおよびます。そのため、症状がひどい場合はなるべくコンタクトレンズの使用を控え、メガネで過ごすのがおすすめです。

コンタクトレンズの代わりにメガネを使用すれば、目の痛みや違和感などの不快な症状が軽減されます。また、眼鏡によって目に入る花粉の量を減らせるため、症状の悪化防止にも役立つでしょう。目薬をさしやすくなり、目薬に含まれる防腐剤などに気を遣う必要もありません。

最近は、ゴーグルのように花粉が目に入り込む隙間を最小限にした花粉症対策用のメガネも多数販売されています。見た目に配慮したおしゃれなデザインのものや、度付きのものもあるため、ライフスタイルに合わせて選びましょう。

■花粉症シーズンに快適にコンタクトレンズを使うには?

普段コンタクトレンズを装用している方のなかには、「コンタクトレンズでの生活に慣れたから、もうメガネには戻れない!」という方もいるでしょう。

ここからは、花粉症シーズンに目やコンタクトレンズのトラブルをできるだけ抑えて、快適に過ごす方法を解説します。

◇ワンデータイプのコンタクトレンズを使う

2weekタイプや1ヵ月タイプなどレンズケアが必要なコンタクトレンズを使用している場合は、ワンデータイプのコンタクトレンズに替えてみましょう。

ワンデータイプのコンタクトレンズは毎日新品を使うことになるため、花粉などの汚れを翌日以降に持ち越さなくてすみます。常に清潔なレンズを使用できるため、花粉症はもちろん、その他の眼病が気になる方にもおすすめです。

ただし、ワンデータイプのコンタクトレンズは、2weekタイプや1ヵ月タイプのレンズに比べて費用が割高になります。できるだけ出費を抑えたい場合は、「花粉症シーズン中だけワンデータイプに替える」という方法でもよいでしょう。

◇メガネやゴーグルを併用する

花粉から目を守るために、メガネやゴーグルを併用するのも良い方法です。

伊達メガネを使用するだけでも花粉の侵入は減らせますが、花粉症対策用の専用メガネを使えば、より高い効果が期待できます。

なお、専用のメガネを使用する際には、花粉が入り込まないようにフード部分を顔にしっかりフィットさせましょう。メガネと一緒にマスクを使用する場合は、あらかじめ曇り止めを塗っておくか、レンズに曇り止め加工が施されているメガネを用意しておくと、より快適に過ごせます。

◇目薬を使う

花粉症による目のかゆみや充血がひどい場合は、目薬の使用も考えてみましょう。

花粉症の症状を抑えたい方には、抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬が配合されている目薬がおすすめです。特に抗アレルギー薬配合の目薬は、本格的な花粉症の症状があらわれる前から点眼しておくと、より高い効果が期待できます。目に入った花粉が気になる場合は、人口涙液(人間の涙に近い成分を含んだ目薬)で洗い流すとよいでしょう。

なお、目薬を使用する際には、基本的にコンタクトレンズを外す必要があります。点眼後、十分に時間を空けてからレンズを装用してください。

目薬に含まれる成分によっては、コンタクトレンズが変形したり濁ったりすることがあります。また、目薬に添加されている防腐剤がレンズに吸収されると、目のトラブルにつながることも考えられます。

◇しっかりレンズケアをする

花粉症シーズンに、ワンデータイプ以外のコンタクトレンズを使用する場合は、外したあとにしっかりレンズケアをしましょう。

花粉で汚れたコンタクトレンズは普段よりも一層汚れが落ちにくくなっているため、入念なこすり洗いが必要です。洗浄液は、より洗浄消毒効果の高い過酸化水素タイプやヨードのつけ置きタイプの洗浄消毒液がおすすめです。

ただし、こすり洗いの前にすすぎ洗いをするのを忘れないようにしましょう。すすぎ洗いをせずにいきなりこすり洗いをしてしまうと、レンズに付着した花粉が破れて粘性のある内容物が出てくるため、レンズ表面に汚れが残りやすくなるといわれています。

翌日以降も快適に過ごすために、「すすぎ洗い」と「こすり洗い」の2ステップで、レンズの汚れをしっかり落としてください。

■花粉症シーズンに使いやすいコンタクトレンズの選び方

花粉症シーズンを快適に過ごすためには、コンタクトレンズ選びも重要です。花粉症シーズンは、汚れの付きにくいタイプや目が乾燥しにくいタイプのレンズを選びましょう。

◇汚れがつきにくい非イオン性素材のコンタクトレンズを選ぶ

コンタクトレンズにはイオン性のものと非イオン性のものがありますが、花粉症シーズンは花粉などの汚れがつきにくい非イオン性素材のレンズがおすすめです。

もっとも、非イオン性レンズを使っても、化粧品や分泌物などによる皮脂汚れを防ぐことはできません。そのため、メイクする機会が多い方には、皮脂汚れにも強い両性イオン素材のレンズをおすすめします。

◇乾燥しにくいシリコーンハイドロゲル素材のコンタクトレンズを選ぶ

花粉症シーズンには、目が乾燥しにくいシリコーンハイドロゲル素材のコンタクトレンズもおすすめです。

シリコーンハイドロゲル素材のコンタクトレンズは酸素透過率が高いため、目にかかる負担を軽減できます。また、含水率が低く、目が乾燥しにくいのも特徴です。これらのことから、涙の分泌が妨げられないため、涙で花粉を洗い流す作用が期待できます。

ただし、シリコーンハイドロゲル素材のコンタクトレンズは親油性が高く、一度油分が付着するとなかなか落とせません。したがって、メイクをする際には、レンズを汚さないように注意しましょう。

■まとめ

花粉症の時期にコンタクトレンズを装用すると、レンズが曇ったり目の症状がさらに悪化したりすることがあります。そのため、花粉症の症状がひどい時期は、コンタクトレンズではなくメガネを使用するのがおすすめです。

どうしてもコンタクトレンズを使用したい場合は、汚れが蓄積しにくいワンデータイプを選びましょう。ワンデータイプ以外のレンズを使う場合は、外したあとにしっかりデイリーケアをしてください。

その他、花粉などの汚れがつきにくい非イオン性レンズや両性イオン素材のレンズ、目が乾燥しにくいシリコーンハイドロゲル素材のレンズを選ぶのもよいでしょう。

コンタクトレンズは、目の健康を害してまで使用するものではありません。花粉症の症状がひどい場合は、コンタクトレンズの装用を控えてください。

公開日:2023/2/25

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