健康診断や診察のために、MRI検査を受けることがあります。コンタクトレンズを普段から装用されている方にとって、病院での診察のためにわざわざレンズをはずすのは少しわずらわしいようにも感じてしまいます。
しかし、正しい検査結果を得るため、目のためには必ずはずすべきです。
MRIは強い磁力で体内の臓器や血管を検査する、大きな筒形の機械です。実際に入ったことはなくても、テレビで見たことがある方も多いでしょう。
脳や脊髄、子宮や卵巣などの変化をキャッチすることに長けているのがMRIです。
似ているもので、CT検査というものもあります。こちらは、心臓や肺、大動脈などの異変をキャッチすることを得意としています。
いずれも、病気の早期発見や診断に役立つ優れた機械です。
MRIは、強力な磁力を使い体内の水素分子を刺激して、動きを読み取り解析して画像化するもの。
そのため、金属を身に着けたままだと正しい検査結果が得られません。
また、金属が熱を帯びて破損、火傷してしまう可能性もあるようです。
ペースメーカーを装着している方がMRI検査を受けられないのは、そのためです。
正しい検査結果を得るため、無事に検査を終えるためには、金属類は必ずはずすことを忘れないでください。
MRI検査を受ける際「カラコンは装用されていませんか?」と聞かれたり、「カラコンははずしましょう」と注意書きがされていたりすることもあります。
「プラスチック素材でできているカラコンなのに、何が問題なの!?」と思う方もいるかもしれませんが、カラコンは絶対にはずすようにしましょう。
視力矯正をしつつおしゃれな目元に仕上げてくれるカラコンは、いまや若い女性だけでなく男性も愛用者がいるほど。しかし、このカラコンは酸化鉄や酸化チタンといった金属に分類されるもので着色されているケースがほとんどです。
MRIの強力な磁力が、カラコンの着色部分に反応してしまうと正確な検査結果が得られないのはもちろん、事故につながる可能性があります。
したがって、MRI検査を受けるときは必ずカラコンをはずさなければならないのです。
さらに、見落としがちですが化粧品にも注意が必要です。アイシャドウやマスカラなど、化粧品のなかには、磁気性のある成分が含まれているものもあるようです。
ご自身の身を守るためにも、必ず指示に従うようにしましょう。
MRI検査を受ける際にはほぼ間違いなく「カラコンはつけていませんか?」と尋ねられます。なかには「カラーコンタクトレンズは外してください」と書かれたポスターが貼られている検査室もあります。
この時にカラコンを外すのが面倒くさくなったり、「プラスチック製のカラコンなのだから検査にも影響がないだろう」と思ったりして、嘘をつくのは絶対にやめてください。
なぜなのでしょうか。その理由として、カラコンの着色に使われている酸化鉄や酸化チタンが磁石に反応してしまう点があげられます。磁石に反応したレンズが熱を帯びて重大な事故を引き起こし、最悪の場合角膜や眼球に傷がついて重度の障害が残ってしまう恐れがあります。
また MRI の磁力がカラコンに反応してしまい正常な検査結果が出ない可能性も高いです。したがって MRI検査の際には必ずカラコンを外すようにしてください。
MRI検査以外でもカラコンが良しとされていない検査はいくつか存在します。ここからはカラコン NG の検査とその理由を紹介します。
•CTスキャンを使った検査
CTスキャンを取るときにはX線を浴びることになりますが、これは金属を通しにくく影になってしまうことがあります。せっかく撮影した写真でも影ができてしまうと、医師も正確な判断をできません。
それも手や足など目が映らない部位であれば問題はありませんが、頭部や首など目に近い部分を撮影するときにはカラコンを外すようにしてください。「うっかりカラコンをつけてきてしまった!」という場合は、あらかじめ医師にカラコンの可否について確認しておくようにしましょう。
•運転免許更新時の視力検査
運転免許を取得したり更新したりする時には、視力検査を受ける必要があります。この際にカラコンを装用しているとNGを言い渡されることがあるのです。コンタクトレンズの装用自体は許されていますが、検査後に行われる写真撮影ではカラコンで瞳の大きさを変えることが禁止とされています。
そのため、視力検査の段階からカラコンを拒否されることが実際にあるようです。心配な人はカラコンを外して、クリアタイプのコンタクトレンズを装用して更新に行くようにしましょう。
では、着色部分のないクリアコンタクトレンズなら良いのか、と言えば一概にOKとは言えません。
例えば、仮眠をとるときや就寝時には必ずコンタクトレンズをはずすよう眼科やコンタクトレンズ販売店で指導されますよね。
目は十分な酸素がいきわたっていないとき、涙が不足しているときなどに違和感を覚えます。目を開けてまばたきを繰り返ししていれば大きな問題はありませんが、コンタクトレンズをしたまま目を閉じてしまうと酸素不足、水分不足となり目のトラブルへと発展してしまう可能性があります。
MRI検査は、横になって目を閉じて受けるのが一般的です。
クリアコンタクトレンズをしたまま長時間目を閉じてしまうのは、決して良いことではありませんよね。
「金属を含んでいない」という点で言えばOKですが、「目のトラブルが起きない」という点で言えば、必ずしもOKとは言い切れませんので、はずすことをおすすめします。
カラコンやコンタクトレンズがMRI検査に向いていないことが分かりましたね。
検査を受ける際は、メガネで行くかケア用品を持参するようにしましょう。
ただ、ケア用品は荷物になるし持って行くのが面倒、という方もいるかもしれませんね。
そういった方は、使い捨てのレンズを持って行くことをおすすめします。
ワンデータイプであればもともとケア用品は必要ありませんし、はずして捨てるだけでOKです。
2weekや1か月タイプのレンズも、検査の日と最終使用日を調整すれば、その場でレンズをはずして検査後に新しいレンズを使用する、ということもできます。
自分の体のために、コンタクトレンズ、カラコンの装用については十分に注意しておきましょう。
今回は、MRI検査時のコンタクトレンズの装用についてお話ししました。病院の指示をしっかり守り、自分自身で勝手な判断をすることがないよう気を付けてくださいね。
公開日:2019/3