コンタクトレンズの購入や使用方法などで、眼科の先生に怒られた経験はありませんか。
延々と説教され、受診間隔やコンタクトレンズのケア方法・購入方法にまで口を出されると「もう受診したくない!」と思ってしまうかもしれません。
しかし、眼科の先生が怒るのには理由があります。それはすべて「目の健康を守るため」なのです。
ただ、眼科では診察時間が限られているため、先生が怒っている理由を十分に説明してもらえるとは限りません。怒られたことに納得がいかず、不満を感じる場合もあるでしょう。
そこで今回は、コンタクトレンズが原因で眼科の先生に怒られるおもな理由と、目の健康を守るために心がけるべきことについて解説します。
コンタクトレンズに関する眼科受診で、先生に怒られるパターンはある程度決まっています。ここでは、怒られる理由を場面ごとに見ていきましょう。
定期検診に行かなかったり、定期的に受診しているものの間隔が長すぎたりすると、眼科の先生に怒られることがあります。
これは、受診間隔が長くなると目の異常に気付くのが遅くなり、重篤な眼障害をまねくおそれがあるためです。コンタクトレンズ障害の重症例と診断された人のうち、受診間隔が3ヵ月を超えている人は3/4以上であったという調査結果もあります。
目の病気は、自覚症状がないまま進行する場合も少なくありません。そして、目の健康状態が変われば、それまで使っていたコンタクトレンズが合わなくなることもあります。
また、定期的に眼科を受診しなければ、視力の変化にも対応できません。度数の合わないコンタクトレンズを使い続けると、眼精疲労などをまねくこともあります。
このようなことから、適切な間隔で定期検診に行かないと先生に怒られるのです。
コンタクトレンズの使い方が悪くて、眼科の先生に怒られる方もいるでしょう。
コンタクトレンズを使用する際には、「使用期限」「使用期間」「装用時間」を守らなくてはいけません。
「使用期限」とは、未開封の状態でコンタクトレンズがいつまで使用できるかを示したものです。
そして「使用期間」とは、開封後に使用できる期間のことを指します。例えば、2ウィークタイプであれば2週間、マンスリータイプであれば1ヵ月間が「使用期間」となります。
「装用時間」は、コンタクトレンズを装用できる時間です。
使用期限や使用期間の過ぎたコンタクトレンズは、劣化や汚れの原因となります。また、眼科の先生から指示された装用時間を守らないと、目に大きな負担がかかります。いずれも眼障害をまねくおそれがあり、角膜に障害が起きると失明するリスクもあるため、大変危険です。
その他、「コンタクトレンズを外さずに寝てしまう」「コンタクトレンズを装用したままプールに入る」「ワンデータイプのコンタクトレンズを再装用する」なども不適切な使用方法にあたります。
いずれも、眼障害のリスクが高くなる危険な行為なので、心あたりがある場合はすぐにやめましょう。
定期受診を怠らず、正しくコンタクトレンズを装用していても、レンズケアが不十分だと眼科の先生に怒られる可能性があります。
レンズケアが不十分でコンタクトレンズに汚れが残っていると、装用感が悪くなるだけではなく、感染症やドライアイ、アレルギーなどの眼障害が誘発されることがあります。
また、「コンタクトレンズを水で保存する」「消毒液を交換せずに使っている」「レンズケースを交換していない」など、レンズケアの方法が不適切だと、コンタクトレンズの劣化が進んだり傷が付いたりする場合もあります。
目の健康を守るためにも、きちんとレンズケアに取り組むようにしましょう。
自己判断でコンタクトレンズを変更したり、友だちからもらったコンタクトレンズを使用したりするのも、眼科の先生に怒られる原因の一つです。
眼科を受診せず、処方箋なしでコンタクトレンズを購入すると、BC(ベースカーブ:レンズの曲がり具合を表す数値)や度数が合わないことがあります。
たとえ前回眼科で処方されたコンタクトレンズと同じものを購入する場合でも、その製品が現在の目の状態にあっているとは限りません。
また、インターネット通販などでは信頼性に欠け、安全にコンタクトレンズを購入できない可能性もあります。
目に合わないコンタクトレンズを使うと、目に傷が付いたり体調不良が生じたりする場合もあるため、大変危険です。
このようなリスクを考えると、やはり眼科の先生としては怒らないわけにはいかないでしょう。
目の異常を放置してコンタクトレンズを使い続けている場合も、眼科の先生に怒られます。
目に充血や痛みなどがある場合や見え方に異常がある場合などは、コンタクトレンズの使用をやめて眼科を受診しなければなりません。
「市販の目薬で何とかなるかも……」と考えるかもしれませんが、市販薬では対応できない目の病気もあります。また、治療が遅れると視力低下や、最悪の場合は失明をまねくことにもなりかねません。
それに対し、早めに眼科を受診すれば健康被害を最小限に抑えられます。
眼科の先生が怒ってしまうのは、「どうしてもっと早く受診してくれなかったの!」という気持ちの表れと考えるべきでしょう。
ここからは、眼科で怒られないために、そして目の健康を守るために心がけるべきことを解説します。
目の健康を維持するために、コンタクトレンズを使用している間は3ヵ月に1回は眼科を定期受診しましょう。
定期的に眼科を受診すれば、目の病気や異常などの早期発見につながりますし、必要に応じて治療も受けられます。さらに、視力や目の健康状態の変化に応じて適切なコンタクトレンズを処方してもらうことができます。
ただし、受診間隔は目の状態や使用しているコンタクトレンズの種類によって変わってきます。適切な受診間隔については、眼科の先生の指示に従ってください。
コンタクトレンズは、使用期限・使用期間・装用時間を守って適切に使用しましょう。
使用期限は、パッケージやブリスターに記載されている「EXP」の部分で確認できます。使用期間には複数のタイプがありますが、長期使用タイプのものでは、ソフトコンタクトレンズが1~1年半、ハードコンタクトレンズが2~3年程度です。これらの期間を目安に、新しいものと交換するようにしてください。
コンタクトレンズの装用時間は、一般的に一日12~16時間以内とされますが、実際に装用可能な時間は目の状態や環境によって異なります。眼科の先生に確認のうえ、指示された時間内の使用にとどめるようにしましょう。
なお、「装用したまま寝ない」「プールに入るときは外す」「ワンデータイプのコンタクトレンズを再装用しない」「目に異常があるときは、無理にコンタクトレンズを装用しない」ことも守ってください。
眼科で怒られないためには、レンズケアをしっかりすることも大切です。
コンタクトレンズのデイリーケアは、毎日欠かさず行なってください。ワンデータイプや2ウィークタイプ以外のコンタクトレンズは、定期的なタンパク除去も必要です。また、レンズケースも毎日洗い、定期的に交換するようにしましょう。
なお、レンズケア用品は、価格やケアの手軽さだけではなく、コンタクトレンズのタイプや汚れの程度に合わせて適切なものを選ぶようにしてください。
コンタクトレンズのケア方法に自信がない場合は、眼科で正しいケア方法の指導を受けましょう。毎日のレンズケアが面倒だと思う方には、ワンデータイプがおすすめです。
コンタクトレンズを購入する際には、処方箋を発行してもらいましょう。
処方箋があれば、BCや度数、そのときの目の状態に応じたコンタクトレンズを購入できますし、目のトラブルを防ぎやすくなります。また、処方箋発行時に診察を受けることで、目の病気や傷などにも早く気付くことができます。
コンタクトレンズのメーカーや製品を変更する場合も、眼科で処方を受けるほうが安心です。初めて使うコンタクトレンズでも、眼科であらかじめ装用感や見え方などを確かめられるため、失敗が少なくなります。
コンタクトレンズの使用に際して目に異常を感じたら、すぐに眼科を受診してください。これも、目の健康を守るための重要なポイントです。
目の病気は、放置すると視力が低下したり失明したりすることもあります。目の充血や違和感、痛み、かゆみなどの異常を感じたら、すぐにコンタクトレンズを外して眼科を受診してください。
市販薬では対処できない病気でも、眼科であれば治療してもらえます。また、引き続きコンタクトレンズの装用ができるかどうかも判断してもらえるため、無理に装用して症状を悪化させるリスクも低くなるでしょう。
コンタクトレンズの使用・購入に関して、眼科で怒られる方は少なからずいるようです。
だからといって、怒られたことで苦手意識を持ち、眼科を受診しなくなると、目の異常を放置することになってしまいます。症状が悪化してから受診すると、さらに先生に怒られる……という悪循環を繰り返すことになります。そして何より、失明につながるような病気を治療する機会を逃すことにもなりかねません。
見方を変えると、怒ってくれる眼科の先生は、目のことを真剣に考えてくれている先生といえます。万が一怒られても、気持ちを切り替えて定期的な受診を欠かさないようにしましょう。
公開日:2023/4/25