コンタクトレンズの着脱は、正しい方法を教えてもらってもすぐにやり方をマスターできるものではありません。特にコンタクトレンズ初心者にとって、レンズの装用は最初の大きな「壁」ともいえます。
しかし、「うまく入れられないのは自分だけかも……」などと悩む必要はありません。コンタクトレンズの装用がうまくいかないのには、それなりの理由があるからです。
そこでこの記事では、コンタクトレンズがうまく入らない原因と対処法を解説します。コンタクトレンズ初心者の方でも失敗が少ない入れ方・外し方も紹介するので、コンタクトレンズの着脱に苦手意識のある方は、ぜひ参考にしてください。
コンタクトレンズの着脱をスムーズに行なうためには、練習と慣れが必要です。しかし、何度やってもうまく装用できない場合は、以下のようなことが原因かもしれません。
コンタクトレンズを装用する際に目の開き方が不十分だと、レンズがまつ毛やまぶたに当たってしまい、うまく入りません。特にコンタクトレンズの使用に慣れていない方は、目に異物を入れることに対する恐怖心から、目をうまく開けられないこともあるようです。
このような場合は、指を使って上下のまぶたを押さえ、意識して目を大きく見開きましょう。このとき、指でまつ毛の生え際あたりを引っ張るようにして押さえると、目を大きく開けます。
コンタクトレンズを装用する際、指先が近づいてくるのが怖くて思わずまばたきをしてしまい、うまく入れられない方もいるでしょう。
目に物が近づいたときにまぶたを閉じるのは、目を守るための本能的な防御反応であり、ごく自然なことです。とはいえ、コンタクトレンズを入れるためには、目を開けたままにしておかなければなりません。
どうしてもまばたきをしてしまう場合は、近づいてくる指先ではなく鏡に映る指や目を見るようにしましょう。このようにすれば、指先を直接見なくて済むため恐怖心がやわらぎ、スムーズに装用しやすくなります。
装用時にコンタクトレンズと目のあいだに空気が入ってしまうのも、レンズがうまく装用できない原因の一つです。
コンタクトレンズと目のあいだに空気が入っていると、レンズが浮きあがってしまうため外れやすくなります。外れない場合でも、異物感があるでしょう。
このような場合は、コンタクトレンズを目の上にのせたあと、一呼吸おいてから指を離すようにしてください。指を離したあと、やさしく数回まばたきをしたり、目を上下・左右にゆっくり動かしたりすると、コンタクトレンズが目になじんで安定します。
コンタクトレンズを扱う前には手指を洗う必要がありますが、指先に水分が残っているとレンズが指から離れにくくなり、うまく装用できません。また、指先が濡れているとまぶたを押さえる際に滑りやすくなるため、目を大きく開くことも難しくなります。
手を洗ったあとは、清潔な乾いたタオルなどで指先の水分をしっかりと拭き取り、指が乾いているのを確認してからコンタクトレンズを扱うようにしましょう。
コンタクトレンズをうまく装用できないときは、指にのせたレンズの状態にも注意してみてください。指先にのせたコンタクトレンズが傾き、縁が指に着いた状態になっていると、指からレンズが離れにくくなります。
コンタクトレンズを指先にのせたあとは、縁が指から離れてお椀状に立っていることを確認してから装用するようにしましょう。
それでは、コンタクトレンズを上手に装用する方法を紹介します。末尾のまとめ部分に動画を掲載しているので、わかりにくい場合は参考にしてください。
ソフトコンタクトレンズの装用方法は、以下のとおりです。
最初は大変ですが、何度も繰り返せば感覚がつかめてきます。うまく入らないと焦るかもしれませんが、多くのコンタクトレンズユーザーが経験することなので、ゆっくりと慣れていきましょう。
ハードコンタクトレンズの入れ方は、基本的にソフトコンタクトレンズと同じです。
もっとも、ハードコンタクトレンズは硬い素材で作られており、裏表が反転することはほとんどありません。また、レンズ直径が小さいため、それほど大きく目を開けなくても装用できます。
ただし、ソフトコンタクトレンズに比べてずれやすいため、ぐっと強く目を閉じるのはNGです。目の上にのせたら、やさしくまばたきをするなどして、目になじませてください。
コンタクトレンズは正しい入れ方だけでなく、正しい外し方を知っておくことも大切です。コンタクトレンズの着脱を正しくできるようになれば、目やコンタクトレンズを傷つけることがなくなります。
ソフトコンタクトレンズの外し方については、末尾の動画でも確認できます。
ソフトコンタクトレンズを外す手順は、以下のとおりです。
この方法でうまく外れない場合は、指先をほんの少しだけ濡らすとよいでしょう。鏡を見る際に黒目が目の中央に来るようにするのも、外しやすくするコツです。
ハードコンタクトレンズはレンズ直径が小さいため、ソフトコンタクトレンズとは異なる方法で外します。以下の2つは、失敗の少ない外し方です。
・まばたきをして外す方法
・下まぶたを押し上げて外す方法
いずれの場合も外したレンズをなくさないよう、あらかじめタオルを敷いたり、排水溝に流れ落ち防止マットなどをセットしたりするとよいでしょう。
コンタクトレンズを外す際に、レンズが目に貼り付いてうまく取れないこともありますが、そのような場合にレンズを無理やりはがしてはいけません。
貼り付きのおもな原因は乾燥なので、まずは目とコンタクトレンズに潤いを与えるようにしましょう。
人工涙液やコンタクトレンズ用の目薬がある場合は、点眼して目の乾燥をやわらげてください。目薬などが手もとにないなら、数回まばたきをして涙で目を潤しましょう。そのあとに、コンタクトレンズを再度外します。
目を潤してもコンタクトレンズが外れない場合は、洗面器などに水を張り、その中に顔を浸して片目ずつまばたきをしてください。このようにすると、レンズと目のあいだに水が入り込み、外れやすくなります。
なお、ソフトコンタクトレンズは水が付着すると再装用できません。この方法で外した場合は、使用期間が残っていても必ずレンズを廃棄してください。
今回は、コンタクトレンズが目に入らない原因と対処法のほか、正しい入れ方・外し方を紹介しました。
コンタクトレンズは毎日使うものだからこそ、目やレンズを傷つけない正しい方法をマスターすることが大切です。コツをつかめば装用がとても簡単になり、忙しい朝もストレスがたまらなくなるでしょう。
今回紹介したコンタクトレンズの正しい入れ方・外し方は、動画でも確認できます。コンタクトレンズの着脱がうまくできない方は、動画を参考にして正しい方法を身につけましょう。