不注意や間違った保存方法で保存し乾いてしまったコンタクトレンズは、コンタクト保存液で元に戻すことで再利用できるの?
元に戻ったコンタクトレンズを再使用するとどんなことが起こってしまうでしょうか?
不注意で乾かしてしまったコンタクトレンズをコンタクト保存液に浸しておいたら、元に戻ったように見えました。
「新しいコンタクトを空けるのはちょっともったいないから、この元に戻ったコンタクトレンズを使用したい」とお考えの方へ、眼にはどんな影響があるのかを把握しておくべきでしょう。
コンタクトを使用したことがある方なら一度は経験したことがあるカピカピに乾燥したコンタクトレンズ。
捨てる前にどうなるか興味があってワザと乾燥させたことや、コンタクトを付けたまま寝てはいけないため、外してテーブルの上に置いておいたら翌朝には乾燥していたことなど、さまざまな状況があります。
急な宿泊などで専用のケア用品が無くて、ソフトレンズを水で保存してしまうとコンタクトレンズが変形したり、雑菌が繁殖したりして、眼を傷つけてしまうということも考えられます。 中にはワンデータイプのソフトコンタクトを何日も洗浄・消毒して使う方もいるようですが、自分の目の健康を考えたら絶対に行ってはならない行為です。
どうしても専用の洗浄液・容器がない場合は諦めて使い捨てる方が安全と言えるでしょう。
うっかりしていたり、保存方法を間違っていたりしてカピカピに乾燥させてしまったソフトコンタクトレンズは再利用できるのでしょうか?
コンタクトレンズを保存液に浸しておくことでカピカピの状態から元に戻ったように見えるため、再利用しても大丈夫そうに見えますが、カピカピになったコンタクトレンズは一旦水分が抜けて乾燥する際に小さくなりヒビ割れやキズができてしまうことがあるので、保存液に数時間浸しておいたとしても、水分を吸って膨張するので見た目には元に戻ったように見えますが再利用することはできないことが多いです。
カピカピになったコンタクトレンズを保存液ではなく、水道水で戻そうと考えている方もいるかもしれませんが、そもそもソフトレンズには水道水が使用できません。
ソフトコンタクトレンズには涙と同じような塩分濃度が必要ですが水道水にはそれがありませんので、浸透圧の関係からコンタクトレンズがゆがんだり、アメーバなどの寄生虫や雑菌が発生したりと大変危険です。
自分の眼の安全を考えるならば、コンタクトレンズは新しいものと交換した方が良いでしょう。
2ウィークや1マンスタイプのコンタクトレンズを使用している人は、期限内に乾燥してしまうことがないように保管・保存にも気を配りましょう。そうすればレンズの期限がくるまで清潔かつ快適に装用できます。
・ 保存液は毎日交換する
ソフトでもハードでも、コンタクトレンズの保存液は必ず毎日交換するようにしましょう。レンズを浸けておいた古い保存液は捨てるようにしてください。また、保存液の保管方法も大切です。冷蔵庫に入れて冷やす必要はありませんが、直射日光が当たらない日陰に置くようにしましょう。
・ コンタクトレンズケースの扱いにも注意
レンズや保存液の状態に気を取られがちですが、コンタクトを収納するレンズケースの取り扱いも非常に大切です。特にハードコンタクトレンズのケースは、必ず毎回洗うようにしましょう。ソフトレンズのケースも定期的に交換する必要があります。レンズケースの洗浄は水道水で行っても構いませんが、必ず乾燥させてから再使用しましょう。
・レンズは必ず保存液にしっかりつける
「コンタクトレンズは水道水に浸けてはいけないの?」と疑問を持つ人もいますが、これは絶対に NG 。水道水にはレンズの洗浄効果がなく、水中に含まれている細菌がレンズをダメにしてしまう可能性もあります。実際に水道水に浸けてから装用すると違和感を覚えるはずです。ハードにはハード用、ソフトにはソフト用の保存液をきちんと使うようにしましょう。
また、もったいないからと言って少量しか保存液を出さない人がいますが、これも良くありません。必ずレンズケースにレンズ全体が浸るくらいたっぷりの保存液を入れてから、浸けるようにしてください
・レンズを使わなかった日もケアを
外出しない日はコンタクトを使わないときもありますよね。しかし、24時間コンタクトをしなかった場合でも、保存液はきちんと交換するようにしましょう。長期間放置した保存液には雑菌が増殖するおそれがあります。
・使用期限を必ず守ろう
レンズケースだけでなく、コンタクトや保存液にも使用期限があります。守らないと衛生状態が悪くなったり、レンズの質が低下して乾燥しやすくなったりするので必ず守り、極力期限内に使い切るようにしてください。
今回は乾いたコンタクトレンズの再利用について紹介しました。一度乾いてしまったコンタクトレンズは保存液に浸しても再利用できませんので、取り扱いには十分な注意が必要です。