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カラコンは目に悪い?起きやすいトラブルと安全に使うコツを解説

カラコン(カラーコンタクトレンズ)愛用者が増加するにつれて、目の異常を訴える人も増加しています。とはいえ、すべてのカラコンが目に悪いわけではありません。安全な製品を選んで適切に使用すれば、目のトラブルを防ぐことは可能です。

あなたは安全なカラコンを選んでいますか。カラコンを正しく使っていますか。

この記事では、カラコンが「目に悪い」と言われる理由に迫り、注意すべき目のトラブルと安全に瞳のおしゃれを楽しむ方法を解説します。

■「カラコン=目に悪い」は誤解

まず、「カラコンが目に悪い」というのは誤解であることを知っておきましょう。

たしかに、カラコンをはじめとしたコンタクトレンズは、適切に使用しないと人体に悪影響をおよぼすリスクが高い「高度管理医療機器」に指定されています。しかし、国の定める安全基準をクリアした製品を選び、使用方法を守って適切にケアすれば、目の健康を守りながらおしゃれを楽しめます。

逆に、安全性が確認できない製品や構造的に問題がある製品を使ったり、使い方やケアが間違っていたりすると、目に重大なトラブルをまねくことになりかねません。

つまりカラコンは、正しい知識を身に付けて適切に使用しないと目に害がおよぶおそれがある、デリケートなアイテムといえます。

■カラコンが「目に悪い」と言われる理由

それでは、なぜカラコンは「目に悪い」と言われるのでしょうか。理由はいろいろありますが、ここではおもなものを紹介します。

◇カラコンが目に合っていない

カラコンは比較的簡単に入手できるため、眼科を受診せずに購入する方も少なくありません。なかには、友人からもらったカラコンを使っている方もいるでしょう。

しかし、自己判断でカラコンを選ぶと、BC(ベースカーブ:レンズの曲がり具合を表す数値)やDIA(レンズ直径)、度数が目に合わないおそれがあります。

BCやDIAの合わないカラコンはうまくフィットしないため、目のゴロゴロ感や充血の原因となったり、かゆみや酸素不足をまねいたりする可能性があります。さらに、目に傷が付くこともあるため、大変危険です。

また、度数の合わないカラコンを使うと視力が低下したり、疲れ目や頭痛、肩こりなどの原因になったりします。

これは、雑貨感覚で気軽に購入できるカラコンだからこそ生じる弊害といえるでしょう。

◇カラコンの使い方が間違っている

カラコンの使い方が誤っているために、「目に悪い」と勘違いされることもあるようです。

カラコンには色素の層があるため、クリアタイプのソフトコンタクトレンズに比べて厚みがあり、酸素透過率が低い傾向にあります。そのため、連続装用できるのはワンデータイプで8時間程度と、普通のソフトコンタクトレンズよりも短めです。

また、カラコンにはワンデーや2ウィークなどさまざまなタイプがありますが、目の健康を守るためには使用期間をしっかり守らなければいけません。装用時間や使用期間を守らずにカラコンを使うと、目のトラブルをまねくおそれがあります。

さらに、瞳のおしゃれを重視してカラコンを2枚重ねて使う方もいますが、これもNGです。カラコンを重ねて装用すると視界が悪くなるだけでなく、酸素透過率がさらに悪くなるため、目にトラブルが生じやすくなります。

◇カラコンを正しくケアしていない

カラコンのケア方法が正しくないために、目やレンズに悪影響がおよぶこともあります。

カラコンに限らず、ワンデータイプ以外のコンタクトレンズはデイリーケアが欠かせません。ケアが不十分でレンズに汚れが残ったり、水道水でレンズケアしたりすると、レンズが劣化したり、目の炎症や感染症をまねいたりするリスクが高くなります。

特にカラコンでは、デイリーケアの際にレンズ表面を傷付けないようにすることが大切です。

カラコンの着色部分は、チタンやアルミニウムなどの金属からできています。もし、レンズに傷が付いて色素が漏れると、目の炎症にとどまらず、眼障害や失明などの重大なトラブルにつながりかねません。

さらに、色素が露出して表面が凸凹になったレンズを装用すると、瞳に傷が付くおそれがあります。傷口から細菌やウィルスが侵入すると、症状が悪化するおそれがあるため大変危険です。

◇安全性の低いカラコンを使っている

カラコンの販売店や通販サイトでは、日本の製品だけではなく海外の製品も取りあつかっていることがあります。また、個人輸入で海外のカラコンを直接取り寄せることも可能です。

しかし、日本の安全基準を満たしていない海外製のカラコンは、酸素透過率が著しく低かったり、色素が露出する構造になっていたりする場合もあります。このようなカラコンを装用すると、瞳に傷が付くリスクが高くなり、眼障害や失明といったトラブルをまねきかねません。

目の健康を維持しながらカラコンを楽しむためにも、「目に悪い」粗悪なカラコンを選ばないようにしましょう。

■カラコンで起きやすい目のトラブル

目に合わないカラコンを使い続けたり、使い方やケアが間違っていたりすると、どのようなトラブルが目に起きるのでしょうか。トラブルをまねく原因と併せて見ていきましょう。

◇角膜内皮障害

角膜内皮障害は、角膜(黒目の部分)の一番内側にある角膜内皮が傷付き、角膜にむくみや濁りが生じる病気です。症状が進行すると、角膜の透明性が失われて視力低下や目のかすみが起こることもあります。

角膜内皮障害は、コンタクトレンズによる酸素不足が原因で生じることけもあります。カラコンは色素の層があるため、一般的なコンタクトレンズに比べて厚みが出やすく、酸素透過率が低い傾向にあるので特に注意が必要です。

◇角膜血管新生

角膜血管新生とは、角膜の酸素不足を補うために、白目の部分から角膜に向かって血管が伸びてくる症状です。酸素透過率の低いカラコンを長時間装用したり、カラコンを外さずに寝たりすると、発生リスクが高くなります。

角膜血管新生は自覚症状がほとんどなく、気付かないうちに進行している場合も少なくありません。しかし、放置すると視力低下や失明に至るリスクもある危険な症状なのです。

◇角膜潰瘍

角膜潰瘍は、角膜に傷が付いてただれる病気です。5層構造になっている角膜のうち、3層目にまで損傷がおよんでいる状態をいいます。

角膜潰瘍になると、目に強い痛みを感じるようになり、かすみ目や視力低下が生じることもあります。角膜潰瘍を放置すると著しい視力低下や失明に至る可能性もあるため、違和感を覚えたら早めに眼科を受診しましょう。

角膜潰瘍のおもな原因は、目の外傷です。カラコンの場合は、落とし切れなかった汚れや露出した色素などで目に傷が付くこともあるため、より一層の注意が必要です。

◇アカントアメーバ角膜炎

アカントアメーバ角膜炎は、角膜感染症の一種です。アカントアメーバという微生物が、角膜の小さな傷から目に入り込むことで発症します。治療が難しく、症状が進行すると重度の視力障害を発症する場合もあります。

アカントアメーバは、洗面所など身近な水回りにもいる微生物です。そのため、カラコンを装用したまま風呂やプールに入ったことが原因で、アカントアメーバ角膜炎を発症するケースもあります。

また、カラコンをケアする際に水道水を使ったり、濡れたままのレンズケースを使ったりすると、レンズが汚染されてアカントアメーバ角膜炎にかかるリスクが高まります。

■カラコンによる目のトラブルを予防して安全に使うコツ

最後に、カラコンによる目のトラブルを防ぎながら、安全に瞳のおしゃれを楽しむコツを紹介します。

◇目に合うカラコンを処方してもらう

カラコンを購入する際には、眼科を受診して正確なレンズデータを測定してもらい、目に合うカラコンを処方してもらいましょう。

そもそも、BCやDIA、度数などは眼科でなければ正確に測定できません。眼科を受診すれば、正確なレンズデータを測定してもらえるだけでなく、目の健康状態に合ったカラコンを処方してもらえるのです。

目に合ったカラコンを使うことは、瞳のトラブルや頭痛・肩こりなどの体調不良を防ぐことにもつながるため、眼科で処方してもらうことをおすすめします。

◇目の健康に配慮した安全性の高いカラコンを選ぶ

カラコンを選ぶ際には、デザインや価格だけではなく、目に対する優しさや安全性も考慮しましょう。

まずチェックしたいのが、カラコンの酸素透過率です。最近は、酸素透過率が高いシリコーンハイドロゲル素材の製品も多数販売されているため、あらかじめ調べておくとよいでしょう。

また、目の負担を軽減するためには、DIAが小さいものを選ぶのがおすすめです。DIAが小さくなるとレンズ直径も小さくなるため、カラコンで覆われる瞳の範囲が狭くなり、目に酸素が届きやすくなります。

さらに、色素部分を2枚のレンズで挟み込んでいるサンドイッチ製法の製品を選ぶのがよいでしょう。サンドイッチ製法はほかの製法に比べて色素が露出しにくいため、安心して使えます。

なお、カラコンを専門店や通販サイトで買う場合は、必ず「高度管理医療機器等販売業許可番号」が確認できる、信頼性の高い店舗を選んでください。そして、カラコンは「高度管理医療機器承認番号」が付いている安全性の高い製品を購入しましょう。

◇カラコン装用時のルールを守る

カラコンを安全に使うためには、使用に関するルールを守ることも大切です。

1日の装用時間やカラコンの使用期間、使用期限は必ず守りましょう。そして、カラコンを装用したまま寝ないこと、入浴や水泳など水に触れるときはカラコンを外すことも忘れないでください。

メイクする際は、メイク前にカラコンを装用して、汚れが付着しないようにしましょう。加えて、目にかゆみや痛みなどの異常が生じた場合は、すぐにカラコンの装用をやめて眼科を受診することも重要です。

なお、カラコンの貸し借りは絶対にしてはいけません。たとえ未開封・未使用でも、他人に処方されたカラコンを自己判断で装用するのはNGです。

◇カラコンを清潔に保つ

カラコンによる眼障害を予防するために、デイリーケアにもしっかり取り組みましょう。

2ウィークタイプやマンスリータイプなど、ワンデータイプ以外のカラコンは、外したあとにケアが必須です。専用の洗浄液を使い、こすり洗いとすすぎ洗いで汚れを落としたあと、レンズケース内に保存液を満たした状態でカラコンを保存します。

また、カラコンを清潔に保つためには、レンズケースの取りあつかいにも注意しなければなりません。レンズケースはカラコンを取り出したあとに毎回洗浄し、自然乾燥させましょう。そして、少なくとも3ヵ月に1回は新しいものと交換してください。

◇眼科を定期受診する

カラコンを使い始めたら、気になる目の異常がなくても3ヵ月に1回は眼科を受診して、目やカラコンの状態をチェックしてもらいましょう。

目のトラブルのなかには、角膜血管新生のように自覚症状がほとんどないものもあります。しかし、眼科を受診すれば目のトラブルを早期発見できるため、症状が悪化する前に治療を受けられるでしょう。

また、眼科を定期受診する際に処方箋を発行してもらえば、より安心してカラコンを使えます。

■まとめ

「カラコンは目に悪い」と言われることもありますが、眼科を受診して目に合うカラコンを処方してもらい、適切に使用すれば目のトラブルを予防できます。一方で、自己判断でカラコンを選び、誤った使い方をすると重篤な眼障害をまねくことにもなりかねません。

カラコンで理想の瞳を手に入れておしゃれを楽しむためにも、3ヵ月に1回は眼科を受診し、カラコンを正しく安全に使うように心がけましょう。

更新月:2024/2

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