目薬の正しい差し方を習う機会はなかなかありませんよね。 必要以上に差してしまったり、容器に細菌を繁殖させてしまったりと、目薬の差し方によっては逆効果になる場合もあります。
目薬の差し方のコツや注意点を知っておきましょう。
目薬は、目が乾燥したり、傷ついてしまった時に役立ちます。
中には目薬を差すのが苦手、怖いという方もいらっしゃるのではないでしょうか?
目薬の容器が目の上にあると何となく怖かったり、まばたきしてしまったり・・・。
今回は、正しい目薬の差し方とコツを紹介します。
まず、忘れてはいけないのが「清潔な手で目薬を差すこと」です。
目薬を差す前には手を石けんやハンドソープなどできれいに洗いましょう。
そして、目薬を持っていない方の手の人差し指と親指で目を大きく開き、目薬を片目に1滴ずつ垂らします。
量が多い方が効くと思いがちですが、1滴で十分です。 点眼量が記載してある場合はそれに従いましょう。
そのまま上を向いた状態で30秒~1分程目を閉じ、目薬が外に流れ出ないようにします。
この時に、ついパチパチ瞬きをしてしまうことがあります。そうすることで目薬が目に浸透するように感じられますが、目薬が目の外に流れて目薬の効果が薄くなってしまうので、目薬の後に瞬きするのは控えましょう。
目薬を差す時に、うまく目を開けられない人もいると思います。
その場合は、下まぶたを軽く引いて目薬を差してみましょう。下まぶたに目薬が溜まり点眼しやすくなりますので、一度試してみてください。
また、目薬を差す時に、容器をまぶたやまつ毛に着けないように注意しましょう。容器にまぶたやまつ毛がついてしまうと、容器に細菌が入ってしまうことがあります。
身近な存在である目薬ですが、実は正しくさせている方はそう多くはないのです。
ここからは、やってしまいがちな目薬の誤ったさし方と注意点を紹介していきます。
目薬の1滴は約50μl(1/20ml)といわれています。しかし、大人の目が一度に保持できる薬の量は約20-30μlです。一度に何滴も目薬をさす人もいますが、あまりたくさんさしても目からあふれて無駄になってしまいます。
目薬があふれてしまうと目の周囲の皮膚に付いてかぶれやすくなるので、目薬に添付されている説明書に従って適量をさすようにしましょう。もしあふれてしまったら、ティッシュなどでふき取るようにしてください。
一度に大量の目薬をさせないからと言って1日に何度も点眼する人がいますが、これもNG行為と言われています。目薬は適切な容量と用法が決められているので、必ず説明書に従い、点眼回数と容量を守るようにしてください。
目薬の容器の先端がまつげや目、まぶたや指先に触れてしまうと目薬の汚染の原因になります。目薬が汚染してしまうと眼病の感染や伝染を引き起こすおそれがあり、目薬本来の効果も発揮されなくなります。
特にメイクやまつ毛エクステンションをしている人は、気を付けるようにしてくださいね。また、目薬を人と貸し借りするのも避けたほうが無難です。
一般的に目薬の使用期限は1週間から1ヶ月程度と言われています。使用期限を超えた目薬を使うと液内に雑菌が繁殖し、目に悪影響を与えるおそれがあります。使用期限切れの目薬は決して使わないようにしましょう。
よく目薬をさした直後にまばたきをする人がいますが、こうするとせっかくさした目薬液が目の外に出てしまうので、極力まばたきはしないようにしましょう。また目薬が目頭の方に集まって、喉の方に流れてしまうこともあります。
使い終わった目薬の保管場所に気をつけることで、目薬の状態を清潔に保つことができます。直射日光が当たる場所への保管は避け、風通しの良い、涼しいところに置くようにしてください。目薬に付属している収納袋に入れておくのもおすすめです。
小さい子どもや高齢者など、自分では目薬を差すことが困難な方に差してあげる場合には、いくつか注意点があります。
例えば小さい子どもに目薬を差してあげる場合、目薬を恐がってしまう子どもも少なくありません。 高い位置から目薬を差すのではなく、なるべく目に近い位置から点眼することを心がけましょう。
このとき、容器の先端部分が直接目に触れないように注意が必要です。 どうしても子どもの目に目薬が差せない場合には、目を閉じたままで点眼することも可能です。 子どもに目を閉じてもらい、目頭部分に点眼したあとに目をあけさせることで、目薬が子どもの目の中に流れます。
ここで大切なポイントとしては、目の周りを清潔にしてから点眼することです。
目の周りが汚れたままだと、目薬の成分とともにまぶたにある汚れや雑菌なども一緒に入ってしまいます。
これでは目薬の意味がなくなってしまいますよね。 必ず、目の周りの汚れをきれいに取り除いてから行ってください。
子どもが眠っているときに目頭部分に点眼し、目尻部分を引っ張るようにしても良いでしょう。
このときは、目薬が流れ出てしまわないよう注意してください。
目薬を差すときは基本的に上を向いて目薬を差しますが、高齢者の方の場合、背中が曲がっていて上を向くのが難しいという人もいます。
無理に上を向かせようとせず、高齢者の方を椅子に座らせて上半身を起こしてもらい、可能な限り顔を上に向けてもらうようにしてから点眼すると差しやすくなります。
目薬を自宅で保管する場合、「どのようにして保管しておけば良いのかよくわからない」という人もいるでしょう。
目薬の種類によっても異なりますが、基本的には、あまり日が当たらない涼しい場所に置いておけば問題ありません。 しかし、あまり涼しすぎる場所に置いておくのもおすすめできません。
目薬を冷蔵庫で保管する人もいますが、それ自体は特に問題ありません。 ただし、例えば温度の低いチルドルームや冷凍庫などに目薬を保管してしまうと、凍ってしまうため注意が必要です。
万が一目薬を凍らせてしまった場合、使用を中止してください。 ただし、目薬のなかには冷蔵保存が必要なものもあるため、眼科医や薬局の担当者に確認しておくと良いでしょう。
眼科で処方される目薬には、専用の袋がついている場合もあります。 目薬を袋に入れておくことで目薬の質を保ち、日光に当たることを防ぐ役目があるため、専用の袋がある場合は目薬を入れて保管しましょう。
また、記載されている使用期限は必ず守り、使用期限が過ぎた目薬は使用しないようにしてください。
今回は、目薬の差し方のコツをご紹介しました。
基本的なことですが、「手洗いをしっかりし、1滴点眼、パチパチと瞬きせずにゆっくり目を閉じる」ことが目薬を差すポイントです。 今まで目薬に苦手意識を持っていた人は、これらを意識して試してみるとうまく差せるのではないでしょうか。
スムーズに点眼できるポイントを押さえ、正しく保管するようにしましょう。