ソフトコンタクトレンズの裏表がわからなくなり、困った経験はありませんか。
実際、ソフトコンタクトレンズはその薄さとやわらかさから反転することがあるため、裏表の判断に悩むことも少なくありません。
しかし、コンタクトレンズの裏表を間違えたまま装用すると、目のトラブルをまねくおそれがあります。また、コンタクトレンズの裏表を確認する際には、いくつかの点に注意しなければなりません。
今回は、コンタクトレンズの裏表がわからなくなった場合に備えて、見分け方のポイントを解説します。コンタクトレンズを裏返しで装用した場合に起こりうる症状も紹介しますので、目のトラブル予防に役立ててください。
最初に、コンタクトレンズの裏と表を間違えて装用した場合に生じうる症状を知っておきましょう。
コンタクトレンズは、角膜のカーブにフィットするよう繊細なデザインに設計されています。そのため、コンタクトレンズが反転した状態で装用すると、カーブが目にうまくフィットしなくなるため、痛みやゴロゴロ感などの違和感が生じやすくなります。
また、目の形状とコンタクトレンズのカーブが合わないことから、ずれたり外れたりする場合も少なくありません。特にワンデータイプは一度外れると再装用できないため、コンタクトレンズを無駄に消費するリスクも高まります。
コンタクトレンズを裏返しの状態で装用すると、見え方にも影響が生じます。
コンタクトレンズはレンズの中心部に度が入っており、裏返しで装用してもまったく見えないわけではありません。しかし、見え方が通常と比べてとても悪くなるため、ほとんどの方は気が付くでしょう。
また、コンタクトレンズが裏返っていると目からずれやすくなるため、物がぼやけて見えづらくなることもあります。
ただし、視力が悪い人は見え方の変化に気付かないこともあるため、注意が必要です。
コンタクトレンズの裏表を間違えたまま装用を続けると、目に傷が付いたり、見え方の違和感から気分が悪くなったりすることがあります。
目に傷が付くと、炎症や感染症などの目のトラブルをまねくことにもなりかねません。目の充血や目やにの増加、痛みなどは目にトラブルが生じているサインです。症状が悪化すると視力に障害が残ることもあるため、「コンタクトレンズの裏表が間違っているかも……」と思ったら、すぐにコンタクトレンズを外してください。
ソフトコンタクトレンズはとても薄くてやわらかいため、正常なフォルムで保存液に浸っているとは限りません。したがって、コンタクトレンズを正しく装用するためには、裏表をしっかり見分ける必要があります。
コンタクトレンズの裏と表を見分ける方法はいくつかありますが、ここでは簡単で判別しやすい3つの方法を見ていきましょう。
コンタクトレンズの裏表の見分け方としてよく知られているのが、コンタクトレンズを指先に乗せて縁の形状をチェックする方法です。
清潔にした指先に、カーブを下側にしてコンタクトレンズを乗せたとき、真横から見て全体がきれいなお椀型になっていれば反転していません。逆に、縁の部分が外側に反って不自然なカーブになっている場合は、コンタクトレンズが裏返った状態になっています。
ただし、この方法では見分けがつきにくい製品もあるため、ほかの方法もいくつか知っておくとよいでしょう。
製品によっては、コンタクトレンズの裏表が簡単に判別できるように。数字や文字が印字されていることがあります。
コンタクトレンズを指先に乗せて、数字や文字が正しく読める場合はきちんと表向きになっているので問題ありません。数字や文字が反転している場合は、コンタクトレンズが裏返しになっています。
ただし、識別マークの見方は製品により異なります。取扱説明書などをよく読み、コンタクトレンズの外側から見るのか内側から見るのかを確認したうえで、裏表を判断しましょう。
コンタクトレンズをつまんで軽く力を加え、裏表を判断する方法もあります。
コンタクトレンズの両端の部分に、親指と人差し指を添えてつまんだときに、内側へ自然に丸くなじむ感じがある場合は正しく表側になっています。一方、外側へ不自然に反発する感じがある場合は、コンタクトレンズが裏側になっていると考えてください。
ただし、この方法を試すときは、爪でコンタクトレンズを傷付けたり、強く折り曲げてコンタクトレンズを破ったりしないよう注意が必要です。
コンタクトレンズの裏と表を確認する場合には、清潔を心がけて破損にも気を付けなければなりません。目のトラブルを予防するためにも、以下の点には特に注意してください。
コンタクトレンズの裏と表を確認する前に、必ず石けんなどで手を洗ってください。水分はペーパータオルや清潔なタオルなどで拭き取っておきましょう。
手に汚れや水分が残っていると、雑菌などがコンタクトレンズに付着して感染症を引き起こすおそれがあります。外出先でやむを得ず裏表を確認する場合も、手を洗って水分を拭き取ってからコンタクトレンズに触れてください。
コンタクトレンズの裏表を確認するために指でつまむときは、爪を立てないよう注意してください。
コンタクトレンズはとても薄くデリケートな素材で作られているため、爪を立てると傷が付いたり破れたりすることがあります。
また、コンタクトレンズに力を加えて裏表を確認する場合は、強い力で折り曲げないでください。力をかけすぎると、コンタクトレンズの破損につながることがあります。
なお、傷や破れがあるコンタクトレンズを装用すると、目のトラブルをまねくおそれがあります。裏表を確認している最中に誤ってコンタクトレンズを傷付けてしまった場合は、装用期間が残っていても必ず廃棄しましょう。
裏表の確認のためにコンタクトレンズを外した場合は、再装用する前に必ず洗浄してください。
一度外したコンタクトレンズは、雑菌などで汚染されているおそれがあります。そのため、専用のケア用品できちんと洗浄してから装用しないと、眼病などの原因になることがあります。
外出先でコンタクトレンズの裏表を確認したくなる場合があるかもしれないので、洗浄液や予備のコンタクトレンズ、保管用のレンズケースは常に携帯しましょう。
ワンデータイプのコンタクトレンズは、一度外してしまうと再度装用できません。そのため、裏と表を間違えて装用した場合は、付け直しをせず、必ず廃棄してください。
ワンデータイプのコンタクトレンズを常用している場合は、万が一に備えて予備のコンタクトレンズを少し多めに用意しておき、外出時にはいくつか持ち歩きましょう。予備のコンタクトレンズがあれば、うっかり裏表を逆にして装用した場合でも外して新しいレンズに替えられます。
コンタクトレンズの裏と表を間違えて装用すると、目や見え方に違和感が生じるだけではなく、目に傷が付いて眼障害をまねくおそれがあります。コンタクトレンズを装用する際は今回紹介した方法で裏表を確認し、注意点を守りながら正しく装用しましょう。
なお、最近は裏表を確認する必要がないコンタクトレンズも販売されています。このタイプのコンタクトレンズは、目に触れる面が下向きにセットされた状態になっているため、レンズの内面に触れることなく清潔に装用できます。商品数は限られますが、毎回のようにコンタクトレンズの裏表の判断に悩まされている方は、選択肢の一つとして考えてみてもよいかもしれません。
公開日 2016/3/23
【関連記事】