コンタクトレンズを使用後、外そうとしたのにうまくいかなくて困った経験のある方は少なくないでしょう。しかし、コンタクトレンズが取れないからといって無理やり外そうとすると、大切な目を傷付けてしまうおそれがあります。
コンタクトレンズがうまく外れないときは、原因に応じて適切な対処をすることがとても大切です。そのためには、コンタクトレンズが外れなくなる理由を理解しておかなければなりません。
今回は、コンタクトレンズが取れなくなるおもな理由と対処法、コンタクトレンズの正しい外し方、どうしてもコンタクトレンズが外れないときの解決法を解説します。
コンタクトレンズが取れないときはどうする?原因別対処法と正しい外し方を解説
さっそく、コンタクトレンズが外れなくなるおもな理由と、原因に応じた対処法を見ていきましょう。
コンタクトレンズが目に貼り付いたような状態になっていると、コンタクトレンズをうまく外せなくなります。
コンタクトレンズが目に貼り付くのは、目とレンズの間に水分が足りなくなるためで、目やレンズの乾燥、長時間装用、BC(ベースカーブ)が合っていないレンズの使用などがおもな原因です。
このような場合は、いったん目を閉じて、瞳全体に涙を行き渡らせてみましょう。コンタクトレンズ用の目薬を使うのもおすすめです。水分を吸収しないハードコンタクトレンズの場合は、洗面器などに水を張り、その中でまばたきをするという方法でも外せます。
コンタクトレンズを外す前に手指をきれいに洗うことは大切ですが、指先に水分が残っているとコンタクトレンズがうまく外せません。
特にソフトコンタクトレンズは、指がぬれていると滑ってレンズを上手にずらせないことがあります。また、まぶたを開くほうの指がぬれていると手が滑りやすくなるため、目を大きく開けません。
したがって、コンタクトレンズを外すときは、手を洗ったあとに清潔なタオルで水分をしっかり拭き取りましょう。意識して手指を拭くだけで、コンタクトレンズの外しやすさが格段に違ってくるはずです。
目の中にあるはずのコンタクトレンズが見つからず、外せないというのもよくあるパターンです。コンタクトレンズが黒目からずれると裸眼と同じ状態になるため、視力の悪い人はコンタクトレンズを見つけるのが難しくなります。
片目を隠して視界がクリアなら、コンタクトレンズは黒目の上にあるはずです。黒目の上にコンタクトレンズがない場合は、まぶたの裏や縁、白目の部分などに貼り付いていないかしっかりチェックしましょう。
コンタクトレンズを見つけたら指の腹を使って黒目の上にそっと移動させ、正しい方法で外してください。
どうしてもコンタクトレンズが見つからない場合は、気が付かないうちに外れているかもしれません。ただし、このようなケースでは目の中にコンタクトレンズが残っている可能性も否定できないため、念のため眼科で確認してもらうと安心です。
爪が長く伸びている場合も、指でコンタクトレンズをうまくつかめなくなります。
ネイルアートなどをしている方もいるかもしれませんが、爪が長いとコンタクトレンズを外しにくくなるだけではなく、目やレンズを傷付けるリスクも高まり、大変危険です。可能であれば爪を短く切りそろえ、コンタクトレンズに触れるようにしましょう。
どうしても爪を短くできない場合は、専用の取り外し器具を利用するのも選択肢の一つです。専用器具はソフトコンタクトレンズ用とハードコンタクトレンズ用で形状が異なるため、使用しているレンズのタイプに合わせて用意してください。
目を傷付けずにコンタクトレンズを取るためには、正しい外し方をマスターしておくことが大切です。ここからは、コンタクトレンズのタイプごとに正しい外し方を紹介します。
なお、コンタクトレンズを外す前には手指を石けんでしっかり洗ってください。石けんを水で洗い流したあとは清潔なタオルで水気を拭き取りましょう。指先がぬれていると滑ってコンタクトレンズを外しにくくなる場合もあるため、手の乾燥は意識して行なってください。
ソフトコンタクトレンズの正しい外し方は、以下のとおりです。
1. 鏡でコンタクトレンズの位置を確認する。
2. 利き手と逆側の指でまぶたを大きく広げる。コンタクトレンズのサイズより大きく広げるのがポイント。
3. 利き手の親指と人差し指の腹でコンタクトレンズを軽く押さえ、下方にずらす。
4. 親指と人差し指の腹で、コンタクトレンズを押し上げるようにしてつまみ、外す。
コンタクトレンズを外すのが苦手な場合は、ソフトコンタクトレンズ専用の取り外し器具を利用してください。
ソフトコンタクトレンズ用の取り外し器具は、ピンセット状になっていて先端にシリコンが付いています。このピンセットを黒目の下のほうで閉じるようにしてコンタクトレンズをつまむと、目を傷付けずに外せます。
ハードコンタクトレンズは、以下のいずれかの方法で外します。
・コンタクトレンズをまぶたから押し出す方法
1. 左右の人差し指で上まぶたと下まぶたを引っ張る。
2. 下まぶたを押し上げるようにしてコンタクトレンズを外す。
この方法では、外したコンタクトレンズを手で受け止められない可能性があるため、あらかじめ下に清潔なタオルなどを敷いておきましょう。
・まばたきをして外す方法
1. 外したいコンタクトレンズを装用している側の手で、目尻を斜め上に引き上げる。
2. 少し強めにまばたきをして、コンタクトレンズを外す。
この方法でコンタクトレンズを外す場合は、外す側の目のそばで目尻を引き上げていないほうの手を広げ、外れたレンズが床などに落ちないようにしてください。
なお、ハードコンタクトレンズも専用の器具で外すことが可能です。ハードコンタクトレンズ用の器具はスポイト状になっていて、先端が吸盤になっています。この吸盤にコンタクトレンズを吸着させれば、簡単に目から外せます。
目を潤す、手指の水分を拭き取る、爪を短くするなどの注意点を守り、正しい方法でコンタクトレンズを外そうとしているのに、どうしても取れない場合はどうすればよいのでしょうか。
このような場合は、清潔な洗面器などに水を張り、顔をつけて水中で数回まばたきをしてください。水中でまばたきをすると、目とレンズの間に水が入ってきてコンタクトレンズが外れやすくなります。
ただし、水道水が付着したソフトコンタクトレンズは変形や汚染のリスクがあるため、使用期間が残っていても再装用できません。
万が一、水中でまばたきしてもコンタクトレンズが取れない場合は、速やかに眼科を受診して適切な処置を受けてください。
コンタクトレンズが取れなくなる原因は、目やレンズの乾燥のほか、手指に残っている水分や長すぎる爪などさまざまです。
原因に応じて適切に対処すれば、コンタクトレンズは目から外せるはずですが、外す方法が間違っていると目やレンズに傷が付くおそれがあります。また、対策を講じていてもコンタクトレンズがうまく外せない場合もあるでしょう。
しかし、無理にコンタクトレンズを取ろうとすると、目に傷が付いてコンタクトレンズの装用を続けられなくなるおそれがあります。今回紹介した方法を試してもコンタクトレンズが外れない場合は、早めに眼科を受診してください。
更新日:2023/7/28
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