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コンタクトレンズの保存液・ケースの代用品は?緊急時の対処法と併せて解説

目の痛みや違和感を覚えたときなど、外出中でもコンタクトレンズを外したい場面があるでしょう。そのようなときに保存液がない場合は、どうすればよいのでしょうか。

なかには「水を保存液の代わりに使ってもよいのでは」と考える方もいるようですが、保存液以外を使用するのは大変危険です。

今回は、コンタクトレンズの保存液やケースをほかのもので代用できない理由、保存液がないときにコンタクトレンズを外したくなった場合の対処法などを解説します。

■コンタクトレンズ保存液は保管の必須アイテム

最初に、コンタクトレンズ保存液の役割と、開封後の使用期限などに関する注意事項を知っておきましょう。

◇コンタクトレンズ保存液の成分と役割

コンタクトレンズの保存液に含まれているのは、目薬などにも使われている、消毒成分やうるおい成分などです。

消毒成分には、雑菌を死滅させたり増殖を抑えたりする作用があります。うるおい成分には、コンタクトレンズ装用時の不快感をやわらげる作用があるほか、レンズの汚れや曇りを防ぐ働きも期待できます。

なお、ソフトコンタクトレンズ用の保存液には、微量の塩化ナトリウムも添加されています。これは、コンタクトレンズの適切な形状や装用感を維持するためのものです。

また、防腐剤が配合されている製品も多くありますが、目にもレンズにも優しい成分なので安心してください。

◇コンタクトレンズ保存液の使用期限

コンタクトレンズの保存液には、2つの使用期限があります。

1つは、未開封時の使用期限です。未開封時の使用期限は外箱やボトル本体に記載されているので、購入前に確認しましょう。まとめ買いする場合でも、使用期限内に使い切れないほど大量に購入するのは避けてください。

もう1つは、開封後の使用期限です。開封後の使用期限が明示されていない製品もありますが、使用説明書などに「開封後1ヵ月を目安にご使用ください」と記載されているものもあります。どちらにしても、保存液を開封したらできるだけ早く使い切りましょう。

なお、使用期限の過ぎた保存液や開封後長期間使用していない保存液は、誤って使うことがないように速やかに廃棄してください。

■コンタクトレンズ保存液の代用品は「ない」

上記のように、コンタクトレンズの保存液には、レンズを衛生的に保つ成分や装用感を維持する成分、形状を維持するための成分などが含まれています。そのため、水などのほかの液体を代用品とすることはできません。

ここでは、水などが保存液の代わりにならない理由について、さらに詳しく解説します。

◇水はコンタクトレンズ保存液の代用品にならない

日本の水道水はそのまま飲めるほど衛生的ですが、「アカントアメーバ」という微生物が含まれていることがあります。アカントアメーバが付着したコンタクトレンズを使うと、感染症などにかかるリスクが高まり、症状が悪化すると手術が必要になる場合もあるため、大変危険です。

「薬局などで購入できるコンタクトレンズ用の精製水なら大丈夫では?」と考える方もいるかもしれませんが、コンタクトレンズ用精製水も保存液の代わりに使うことはできません。

ソフトコンタクトレンズやカラコン(カラーコンタクトレンズ)は、涙と同じ浸透圧になるように設計されています。保存液はその浸透圧に対応したものですが、コンタクトレンズ用精製水の浸透圧は保存液とは異なります。そのため、精製水を保存液代わりに使用すると、コンタクトレンズの変形などにつながり使用できなくなります。

また、ハードコンタクトレンズを水道水で保存するのも避けましょう。水道水に含まれる塩素でコンタクトレンズの表面にダメージが生じたり、雑菌が繁殖しやすくなったりして、レンズの寿命が短くなるからです。

このような理由から、水をコンタクトレンズ保存液の代わりに使うことはできません。

◇目薬や生理食塩水をコンタクトレンズ保存液の代わりに使うのはNG

目薬も、コンタクトレンズ保存液の代用品にはなりません。

たとえコンタクトレンズ用の目薬でも、含まれている成分や防腐剤などの影響でレンズの性質や形を変えてしまうおそれがあるからです。変質・変形したコンタクトレンズは装用できないため、廃棄しなければなりません。

また、生理食塩水をコンタクトレンズ保存液の代わりに使うのも避けましょう。たしかに、生理食塩水は涙と塩分濃度が近いため、水道水などと比べて安心感はあるかもしれません。しかし、洗浄効果が期待できないことから、雑菌が繁殖したり汚れが蓄積したりするおそれがあります。

したがって、目薬や生理食塩水もコンタクトレンズ保存液の代わりにはなりません。

◇コンタクトレンズ保存液の自作も避けるべき

インターネットで検索すると、コンタクトレンズ保存液の作り方が見つかることもあります。

しかし、自作した保存液には、雑菌やアカントアメーバなどの微生物が混入しているおそれがあるため、危険です。また、先述のように、保存液は涙に近い浸透圧になるよう製造されています。自作の保存液がそれと同じになるとは限らず、浸透圧にズレがあると、コンタクトレンズの変形をまねくことにもなりかねません。

目のトラブルを防ぐためにも、コンタクトレンズ保存液の自作は行なわないようにしましょう。

■コンタクトレンズケースの代用品も「ない」

外出先でコンタクトレンズを外す際に、保存液と同様に必要なのがコンタクトレンズケースです。「ケースなんて何かで代用できるだろう」と思うかもしれませんが、コンタクトレンズケースの代用品も「ない」と考えましょう。

サイズからするとペットボトルのキャップでも代用できそうですが、ジュースの成分や不純物など目に見えない汚れが残っているおそれがあるので、使用してはいけません。新品の皿やコップといった食器類も、塗料などが付着しているおそれがあるため、使用はNGです。

コンタクトレンズケースがない場合は、ドラッグストアやコンビニエンスストアなどのトラベル用品売場をチェックしてください。これらの店舗では、使い切りの保存液とケースがセットで販売されていることもあります。100円ショップなどでケースのみ販売されていることもあるので、代用品を考える前にケースを探すようにしましょう。

外出の機会が多い場合は、ワンデータイプのコンタクトレンズを常用して、コンタクトレンズケースが不要な生活を送るのも一つの方法です。

■コンタクトレンズを今すぐ外したい!緊急時の対処法

最後に、コンタクトレンズ保存液もケースもない場合の対処法を紹介します。

◇ドラッグストアやコンビニでコンタクトレンズ保存液を購入する

コンタクトレンズを外したいときに保存液もケースもない場合は、まずドラッグストアやコンビニエンスストアを探しましょう。もちろん、コンタクトレンズ専門店でも構いません。

店舗が見つかったら、必要なものを購入しましょう。初めての店舗でどこに何があるのかわからない場合や痛みなどで目を開けるのがつらい場合は、販売店のスタッフに購入の手助けを求めてください。

なお、保存液はコンタクトレンズの種類に応じたものを購入することが重要です。保存液がコンタクトレンズの種類に合っていないと、再装用できなくなることがあります。

◇コンタクトレンズを外して捨てるのも選択肢の一つ

「目にトラブルがある」「装用時間が長すぎる」などの理由で、コンタクトレンズをすぐに外したい場合は、レンズを保管せずに捨ててしまうのも選択肢の一つです。

たしかに、ワンデータイプ以外のコンタクトレンズは繰り返し装用が可能なので、捨ててしまうのはもったいないと感じるかもしれません。「メガネよりコンタクトレンズのほうが見やすい」「見た目が変化するのは避けたい」などの理由で、コンタクトレンズを外したくない方もいるでしょう。

しかし、見やすさやおしゃれよりも、コンタクトレンズの衛生面や目の健康を優先すべきです。

目の健康を守るためにも、外出時にはコンタクトレンズ保存液とケースを必ず携帯するようにしましょう。加えて、メガネや替えのコンタクトレンズも、常に用意しておくと安心です。

■まとめ

コンタクトレンズの保存液やケースは、コンタクトレンズを清潔に保ち、目の健康を維持するために欠かせないアイテムです。保存液もケースも代用品はないため、必ずコンタクトレンズの種類に応じたものを使用してください。

外出する際は、万が一の事態に備えて保存液とケースを常に携帯するとよいでしょう。保存液などを持ち歩くのが難しい場合は、ワンデータイプのコンタクトレンズの使用をおすすめします。

更新日:2025/1/26

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