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コンタクトレンズの入れ方・外し方|うまく入らないとき、外れないときの対処法も解説

「コンタクトレンズは便利だけれど、つけたり外したりが苦手」という方もいるでしょう。コンタクトレンズの着脱がうまくいかないのには理由があります。また、自己流の入れ方・外し方がクセになっていると、レンズを破損したり目を傷付けたりするリスクも否定できません。

そこでこの記事では、コンタクトレンズの入れ方・外し方を基本に立ち返って解説します。コンタクトレンズがうまく入らないときや外れないときの対処法も紹介するので、万が一の際にはこのページで紹介する方法を試してみてください。

■コンタクトレンズの入れ方

最初に、コンタクトレンズの入れ方をおさらいしましょう。

コンタクトレンズをあつかう際には、あらかじめ爪を短く切り、レンズや目を傷付けないようにしてください。そして、手指は石けんでていねいに洗い、流水でしっかりすすぎましょう。ハンドクリームや化粧品が残っているのはNGです。

なお、メイクはコンタクトレンズを入れてからするようにしてください。メイク汚れが手指に付くと洗ってもなかなか落ちないため、レンズを汚してしまうおそれがあります。

◇コンタクトレンズの正しい入れ方

コンタクトレンズの入れ方は、ソフトコンタクトレンズとハードコンタクトレンズでほとんど変わりません。

1.レンズを確認する
まず、レンズの左右を確認しましょう。左右で度数の違うレンズを使っている場合は、特に注意が必要です。

ソフトコンタクトレンズの場合は、左右を確認したら利き手の人差し指にレンズを乗せ、傷や汚れの有無をチェックしてください。その際、レンズの裏表も確認しておきましょう。レンズが裏側になっている場合は、縁が外側に反り返っています。乱視レンズはガイドマークの確認も必要です。ガイドマークを正しい位置にずらし、次のステップに進みましょう。

2.指で上下のまぶたを開く
レンズの確認が終わったら、レンズを乗せている手の中指で下まぶたを引き下げ、反対側の手の人差し指で上まぶたを引き上げます。

3.レンズを目に乗せる
鏡を見ながら、レンズを黒目の上にゆっくり乗せます。レンズを黒目に正しく乗せたら、上下のまぶたを押さえている指をそっと外してください。

4.ゆっくりまばたきする
まぶたから指を外したら、ゆっくりまばたきをしてレンズを目になじませます。左右の見え方を比較して、正しく装用できていることが確認できたら、同じようにして反対側の目にもレンズを入れてください。

◇ソフトコンタクトレンズを入れるときのコツと注意点

ソフトコンタクトレンズは大変しなやかな素材でできているため、ちょっとしたことでレンズが反転します。反転したレンズをそのまま使うと目のトラブルをまねくこともあるため、必ず裏表を確認してから装用しましょう。

また、ソフトコンタクトレンズはハードコンタクトレンズに比べてレンズ直径がかなり大きめです。レンズを入れる際は、黒目全体が見えるくらい大きくまぶたを開けるようにしましょう。

なお、レンズと目の間に空気が入り込むと、装用中に外れやすくなるだけでなく違和感を覚えることもあります。レンズを黒目の上に乗せたらゆっくりと指を離し、やさしくまばたきをしてレンズを目になじませましょう。

◇ハードコンタクトレンズを入れるときのコツと注意点

ハードコンタクトレンズは、ソフトコンタクトレンズとは違って硬い素材でできていますが、強い力を加えると反転してしまうことがあります。また、ソフトコンタクトレンズに比べてレンズ直径が小さいため、それほど大きくまぶたを開かなくてもレンズを入れやすいという特徴もあります。

しかし、ハードコンタクトレンズはずれやすいため、レンズを黒目に乗せたあとに強くまばたきをするのはNGです。レンズを入れたらそっと指を外し、軽く目を閉じてゆっくりまばたきをしながらレンズを目になじませましょう。

■コンタクトレンズがうまく入らない原因と対処法

コンタクトレンズがうまく入らない原因にはいくつかのパターンがあります。ここでは、おもな原因と対処法を併せて見ていきましょう。

◇思わずまばたきをしてしまう場合

よくあるのが、コンタクトレンズを入れるタイミングでまばたきをしてしまうパターンです。コンタクトレンズに対する恐怖心が強い方は、心当たりがあるのではないでしょうか。

このような場合は、指を使ってしっかりとまぶたを開き、レンズを入れるようにしてみてください。その際、レンズや指先を見てしまうと反射的に目を閉じてしまいがちです。鏡に映る自分の目とレンズの位置を確認しながら入れると失敗しにくくなるので、試してみてください。

◇目を十分に開けていない場合

「目を開けているつもりでも、十分に開いていない」というパターンも少なくありません。目が半開きの状態だと、レンズがうまく入らず押し出されたり、まつ毛に邪魔されてレンズが入らなかったりします。

この場合も、まぶたを指でしっかり押さえ、大きく目を見開いてからレンズを入れるようにしてください。その際、まつ毛の生え際のあたりから軽く引っ張るようにしてまぶたを押さえると、目を大きく開けます。うまくいかない場合は、レンズを乗せていない側の手の指を2本使ってまぶたを開くとよいでしょう。

◇目とレンズの間に空気が入っている場合

レンズを入れることはできるものの、装用後に違和感が残ったり外れたりする場合は、目とレンズの間に空気が入っているかもしれません。目とレンズの間に空気が入ってしまうと、レンズが浮いた状態になるため、装用感が悪くなり外れるリスクも高まります。

心当たりがある場合は、レンズを目に乗せたあとすぐに指を離すのではなく、一呼吸おいてから指を離すようにしましょう。そして指を離したらやさしく目を閉じ、眼球をゆっくり上下左右に動かしてレンズを目になじませてください。このようにすると、目とレンズの間に空気が入りにくくなります。

◇レンズが指に貼りつく場合

レンズが指からうまく離れず装用できない場合は、レンズを乗せる指が濡れすぎている、あるいは、レンズの縁が指についてしまっている可能性があります。

レンズを装用する際には、指の水分をしっかりふき取り、レンズの縁が指から離れておわん型に立っていることを確認してから、やさしく目に乗せるようにしましょう。

■コンタクトレンズの外し方

次は、コンタクトレンズの基本的な外し方をソフトコンタクトレンズ・ハードコンタクトレンズに分けて解説します。

外す際にも、手指洗浄は必須です。左右のレンズの取り違えが心配な場合は、毎回同じ側から外す習慣をつけておきましょう。

なお、メイクをしている場合は、コンタクトレンズを外してからクレンジングしてください。クレンジング剤などがコンタクトレンズに付くと、汚れの原因になるだけでなく、変形をまねくこともあるためです。

どうしても外れない場合には無理に外そうとせず、必ず眼科を受診してください。

◇ソフトコンタクトレンズの外し方

ソフトコンタクトレンズの外し方はいろいろありますが、おおむね以下のような方法で外していきます。

1.レンズの位置を確認する
レンズを外す前に、鏡でレンズの位置を確認しておきましょう。上目遣いで鏡を見て、レンズが黒目の上にあれば大丈夫です。

2.指で上下のまぶたを開く
利き手と逆側の人差し指で上まぶたを引き上げ、利き手の中指で下まぶたを引き下げて、レンズより大きくまぶたを開いてください。
上まぶたは、まつ毛の生え際を押さえて引き上げるとレンズを外しやすくなります。

3.レンズを黒目の下に移動させる
まぶたを大きく開いたまま、利き手の親指と人差し指を使ってレンズを黒目の下にずらします。
レンズが下がりにくいときはコンタクトレンズ用の目薬をさし、数回まばたきしてから再度チャレンジしてください。

4.レンズ下方をつまんで外す
親指と人差し指で「V」の字を作り、ずらしたレンズの下方をつまんで外してください。

なお、黒目の上でレンズを外すと、目を傷付けてしまうおそれがあります。レンズがずれにくい、外れにくいといった場合は無理をせず、後述の「コンタクトレンズがどうしても外れない場合の原因と対処法」に記載の方法を試してみてください。

◇ハードコンタクトレンズの外し方

ここからは、ハードコンタクトレンズの外し方を解説します。ハードコンタクトレンズはソフトコンタクトレンズと異なり、目の中に指を入れずに外すのが一般的です。

・基本的な外し方
ハードコンタクトレンズの基本的な外し方は、大きく分けて2つあります。

1つは、鏡を見ながら片方の人差し指で目尻を顔の斜め上方向へ引っ張り、まばたきしてレンズを外す方法です。レンズを外す際には、目尻を引っ張っていないほうの手のひらを目の近くで開き、レンズを受け止めます。

もう1つは、鏡を見ながら両方の人差し指で上まぶたと下まぶたを開き、下まぶたをぐっと押し上げてレンズを外す方法です。

ハードコンタクトレンズは小さいため、床や洗面台などに落ちてしまうと見つけにくいことがあります。うっかり排水溝に流してしまうおそれもあるため、机の上にタオルを敷いたり、流れ落ち防止マットを排水溝の上に敷いたりして、レンズの紛失を防ぎましょう。

・スポイトを使う外し方
ハードコンタクトレンズ用に作られた、取り外し専用の器具があることをご存知でしょうか。この器具は「スポイト」と呼ばれています。
スポイトを使ったハードコンタクトレンズの外し方は、以下のとおりです。

  1. 鏡でコンタクトレンズの位置を確認し、スポイトの下の部分を持ち、先端の吸盤部分をレンズの真ん中にまっすぐ当ててください。※
  2. スポイトの腹の部分を押さえて、レンズを吸着させます。弱い力でも十分取り外せますので、あまり力を込めないようにしてください。※
  3. 目からレンズを外したあと、スポイトを軽くつまんでレンズを吸盤から外します。※

なお、スポイトの使用は「目が傷付きやすくなる」といった理由で危険視する意見もありますが、正しく使えば目を傷める心配はほとんどありません。レンズを安全に外せるように、スポイトを使った外し方をマスターしておきましょう。

■コンタクトレンズがどうしても外れない場合の原因と対処法

「コンタクトレンズがどうしても外れない」というときは、急いでいたり、パニックになったりして指に力が入ると、眼球を傷つけてしまうこともあります。そのためそういった場合は、なるべく眼科でアドバイスをもらうようにしていただきたいのですが、すぐに病院に行けない場合、本章で紹介する原因別の応急処置を試してみてください。

◇目やレンズが乾燥している場合、装用時間が長すぎる場合
コンタクトレンズを長時間装用したり、空調が効いた室内でパソコン画面を長時間見続けたりすると、目が乾燥してレンズが外れにくくなってしまうことがあります。

このような場合は、まず鏡を見て黒目の上にレンズが乗っていることを確認してください。そのうえで、目を閉じて目頭を押さえる、まばたきを数回する、コンタクトレンズ用の目薬をさすなどして目にうるおいを与えると、レンズを外しやすくなります。

◇手が濡れていて滑る場合

コンタクトレンズを外す際に手が濡れていると、レンズをうまく外せなくなります。これは、濡れた手でレンズが滑ってしまうことが原因です。特にソフトコンタクトレンズは素材が軟らかいため、濡れた手で外そうとするとレンズが滑ってしまい、うまく外せません。

このような場合は、落ち着いて手の水分をしっかりふき取りましょう。手をしっかり乾かすだけで、簡単にレンズを外せるようになります。

◇コンタクトレンズがずれている場合

「コンタクトレンズがずれてしまい外せない」「コンタクトレンズが、どこにずれたかわからない」という場合は、まずレンズの位置を確認しましょう。

目を上下左右に動かして、白目の部分やまぶたの縁にレンズがついていないかをチェックしてください。片側の目を手で隠したときにレンズ装用時と同じように見える場合は、黒目にレンズが乗っているはずです。

ソフトコンタクトレンズが白目の部分にずれた場合は、指の腹でゆっくりと黒目の上まで戻してください。レンズが正しい位置に戻ったら、通常の方法で外しましょう。

ハードコンタクトレンズが白目の部分にずれた場合は、まず、レンズがずれている方向とは逆の方向に目を動かしてください。次に、目はそのままの状態で、ずれているレンズの奥側(瞳の反対側)に指を当てて目を元の位置に戻すと、黒目の上にレンズをずらせます。レンズが黒目の上に戻ったら、通常の方法で外しましょう。

なお、目の構造上、眼球の裏側にレンズが入ってしまうことはないため、安心してください。どうしてもレンズを見つけられない場合は、眼科を受診するほうがよいでしょう。

◇上記の方法を試しても外れない場合

上記の方法を試してもレンズが外れない場合は、清潔な洗面器に水を張り、水の中で片目ずつまばたきしてみましょう。このようにすると目とレンズの間に水が入り込み、浮き上がって外れやすくなります。

しかし、水中でまばたきしてもレンズが外れない場合もあるでしょう。そのようなときは、眼科を受診して医師の診察を受けることをおすすめします。白目の部分にも傷はつくので、無理に外そうとするのはやめましょう。

なお、水につけたソフトコンタクトレンズは再装用できません。水中の微生物でレンズが汚染されたり、浸透圧の影響で変形したりすることがあるためです。再装用すると目に重大なトラブルをまねくおそれがあるため、必ず廃棄してください。

一方、ハードコンタクトレンズは、水につけても再装用できます。ただし、外したあとは必ずデイリーケアを行なってください。

■まとめ

今回は、コンタクトレンズの基本的な入れ方と外し方、うまく入らないときや外れないときの対処法などを紹介しました。

コンタクトレンズを取りあつかう際には、あらかじめ手指を清潔に保つことが大切です。また、上手に装用するためには、手指の水分をしっかりふき取ることも重要です。今まで自己流の方法でコンタクトレンズをつけたり外したりしていた方は、この機会に正しい方法をマスターしましょう。

なお、レンズを入れるときに違和感がある、レンズの位置がわからなくなった、何をしてもレンズが外れない、といった場合には、早めに眼科を受診してください。

更新日:2024/4/4

公開日:2024年4月