コンタクトレンズの外箱には、「PWR」もしくは「D(ディオプター)」であらわされる数値が記載されていることをご存じでしょうか。 最近、コンタクトレンズをしていてもなんとなく視界がはっきりとしなくなったとお思いの人は、このPWRを一度チェックしてみることをおすすめします。
PWRが示す値の意味とは?
これまでにコンタクトレンズを購入したことがないという方のなかには、そもそもコンタクトレンズのPWRが何を指すのかわからないという方もいるでしょう。
PWRとは、POWER(パワー)、つまりコンタクトレンズの度数を表す数値のことです。 では、度数(PWR)は どれを選ぶべきか?
例えば、カラーコンタクトレンズの通販サイトを見ると、購入ページで度数(PWR)を選択する部分があります。 コンタクトレンズのメーカーによって販売している度数の幅に差がありますが、だいたい-0.50から-8.00の間で選択できるようになっています。
コンタクトレンズの度数は、数字が大きいほど度数が低く、数字が小さいほど度数が高く、近視の強い人向けになります。 なお、度数(PWR)がマイナス-ではなくプラス+の場合は遠視用のレンズになります。
このPWRの数値は学校などの視力測定ではわかりません。 コンタクトレンズを安全に使用するために、必ず眼科でコンタクトレンズの検査をしましょう。
眼科の処方箋などに、「SPH」と表記されている場合があります。SPHは「球面」といった意味を持ち、こちらもレンズの度数を表すものです。SPHは0.25単位の小数点で表されるのが基本で、数値の前に「+」があれば遠視、「-」があれば近視であることを表しています。
PWRとSPHは、どちらも「度数」という同じ意味を指しています。コンタクトレンズのパッケージや、通販サイトで度数を選ぶときの表記には、度数は「PWR」と書かれていることが多い傾向にあります。自分の度数をチェックする場合は、「PWR」と「SPH」は同じ意味を持つ数値であることを知っておきましょう。
コンタクトレンズを長く使用していると、「最近なんとなく見えにくいな」と感じることがあるかもしれません。 もしかすると、それは視力の低下が原因かもしれません。そうなると、必要となるのがコンタクトレンズの買い替えです。
もし、視力が低下しているのであれば、一度眼科で度数を調べてもらう必要があります。 自分の目と合っていない度数のコンタクトレンズを使い続けると、必要以上に目を酷使してしまったり、はっきり見えずに不便に感じたりすることが増えてしまうかもしれないからです。
コンタクトレンズのPWR(度数)、BC(ベースカーブ)の表示方法は、国際的に統一されているので、メーカーが変わっても同じです。 ただし、メーカーや商品によってレンズの大きさ・厚み・デザイン・加工方法などは異なるため、実際の見え方や装用時の感触にも多少違いがあります。 気になるときは眼科の検査員やコンタクトレンズの販売員に相談してみると良いでしょう。
視力は悪くないけれど、瞳の印象を変えたくてカラーコンタクトレンズを購入したいと考えている女性はたくさんいます。
コンタクトレンズは店頭やネットで気軽に購入できることから、「視力が悪くないなら、わざわざ眼科に行って購入する必要がない」と思われがちですが、それは絶対に NG。
コンタクトレンズはペースメーカーなどと同じ高度管理医療機器に指定されていて、デリケートな扱いが必要なものです。
たとえ視力が良くても必ず眼科で処方を受けた上で、度なしのレンズを購入するようにしましょう。
自分に合わないレンズを選ぶと瞳に負担をかけることになり、最悪の場合眼病を引き起こすことにつながります。
カラコンを購入するときに眼科で行われる検査
コンタクトレンズを購入する際には眼科を受診することになりますが、この際に行われるのは視力測定だけではありません。BC(ベースカーブ)とDIA(レンズ直径)の測定も重要な検査項目です。
BCとはレンズの曲がり具合を示したもので、一人一人違う目の曲がり具合に合わせるときに参考となる数値です。
日本人は比較的眼球が大きく、平均的なBCは8.6から8.7 mm と言われています。
ほとんどのメンズメーカーは8.3から8.9 mm のBCのレンズを扱っているので、購入者は度数と一緒にBCも選びましょう。
BCは自分で測れませんので、必ず眼科で検査してもらうようにしてください。
BCと合わせて検査するのがDIAのサイズです。
DIAとはレンズの直径サイズのこと。カラーコンタクトには色のついている部分のサイズを表す着色直径もありますが、 DIAはこれよりも大きいものです。
使い捨てソフトコンタクトレンズの平均的なDIAのサイズは14 mm 前後、 ハードコンタクトレンズの平均は9.0前後と言われています。
人によってDIAは大きく異なるため、こちらも眼科でチェックしてもらいましょう。
着色直径の大きさを求めると、おのずとDIAが大きくなります。
しかし、DIAが大きくなればなるほど瞳が酸欠状態になりやすいので、必ず自分のサイズに合うものをチョイスしましょう。
医師からもらった処方箋にはBC(ベースカーブ)やPWR(度数)、DIA(レンズ直径)の数値などが記載されています。
自分の目に合うことを確認したうえで購入しましょう。
「コンタクトレンズとメガネの両方を購入したい」、「コンタクトレンズを装用しているが、メガネもほしい」と考えている人のなかには、コンタクトレンズの度数がわかっていれば、メガネも同じ度数ですぐに購入できる、と考えている人もいるかもしれません。
しかし実際には、コンタクトレンズの度数がわかっているだけでは、メガネを購入することはできません。理由として、コンタクトレンズは目に直接入れるものであるのに比べて、メガネは目とレンズの距離があり、コンタクトレンズとメガネでは装用中の見え方が異なるためです。コンタクトレンズと同じ度数でメガネを作ると、違和感がある可能性が高いでしょう。
コンタクトレンズとメガネの両方を使用する場合、両方を同じ度数にするのではなく、コンタクトレンズの度数を、メガネに比べて低めに作るというケースも少なくありません。また、メガネを作る際には「PD」と呼ばれる、目の瞳孔とレンズの間の距離の数値も必要になります。コンタクトレンズを持っている人も、メガネを作る際には必ず検査を受け、適切な度数を知ってから作る必要があります。
今回は、コンタクトレンズの度数、PWRについてご紹介しました。 自分の目に合ったコンタクトレンズを装用して快適な生活を送りましょう。
更新日:2016/10/31
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