コンタクトレンズのパッケージには、「EXP」「PWR」「BC」などのアルファベットが記載されています。EXPはコンタクトレンズの使用期限です。使用期限の過ぎたレンズを使用するのは非常に危険ですのでやめましょう。
コンタクトレンズを初めて購入したとき、パッケージやブリスターに、アルファベットがたくさん書かれているのを見たことがある人も多いと思います。ただし、アルファベットの意味が分かっていなければ購入できない、というわけではありませんから、知らない人が多いのも事実です。
「このアルファベットは何?」「よく分からない記号だな」など、あまり気にしたことがない人もいるかもしれませんね。
実は、記載されているアルファベットにはそれぞれ意味があります。決して難しいものではなく、意味を理解すれば「そういう意味だったのか!」と、納得できるでしょう。日常的にコンタクトレンズを装用する人の場合には、アルファベットの意味を知っておくことをおすすめします。
レンズのパッケージやブリスターに記載されているEXPとは、「Expiration Date」の略で、「消費期限」や「使用期限」のことを指します。使用期限とは、コンタクトレンズが開封されていない状態で、レンズの安全性や性能などを保証している期限のことです。
例えば購入したレンズのEXPが「2020年1月31日」の場合、コンタクトレンズを購入してからその期日までは、性能などに問題はないということです。
コンタクトレンズの使用期限を守らないのは、大変危険です。食べ物などにも賞味期限があるように、コンタクトレンズも、購入後ずっと使用できるわけではありません。
例え未開封であっても、使ってもよい適切な期限があります。使用期限を過ぎたコンタクトレンズは廃棄し、期限内に使いきることを意識しましょう。
また、「使用期限=開封済のコンタクトレンズを使用してよい期限」ではありません。あくまでも、未開封の状態で使用してもよい期限のことです。例えば2週間タイプのソフトレンズの場合、使用頻度などに関係なく、装用開始から2週間が、装用してもよい期間です。
開封後にコンタクトレンズを装用し、「使用期限がまだあるから大丈夫」と連続して装用するのは大変危険ですので、絶対にやめましょう。
コンタクトレンズは比較的手軽に購入できるため、使用期限が存在することを知っていても「少しくらい大丈夫」と考えて、使用期限を守らずに使用する人が少なくありません。しかし、これはれっきとしたNG行為です。
コンタクトレンズは日本では「高度管理医療機器」に分類されていて、厚生労働省からも注意事項を守って正しく使用するように喚起されています。高度管理医療機器は心臓用のペースメーカーや人工透析に用いられる機器なども該当するもので、正しく使用せずに機能に障害が起きた場合は命や健康に重大な影響を与えるものと定義されています。そのことを意識して、正しく衛生的に使えるよう心がけましょう。
①角膜びらん
角膜びらんとは角膜を保護する上皮がはがれ、実質がむき出しになる状態のこと。目の充血や涙が出やすくなるのが主な症状です。目の酸素不足によって起こりやすくなります。
②角膜腫瘍
上皮がはがれて実質が傷ついてしまうと、角膜腫瘍になります。角膜腫瘍は角膜びらんよりもさらに深刻な状態で、放置しておくと失明する危険性があります。コンタクト装用による感染が原因で起こりうる眼病であるため、取り扱いには十分注意しましょう。
③巨大乳頭結膜炎
上まぶたの裏側に乳頭と呼ばれるぶつぶつができる巨大乳頭結膜炎。粘度の高い白い目やにや充血、異物感が主な症状です。コンタクトに付着した汚れが原因と言われています。
また、眼病ではありませんが不衛生なコンタクトレンズを装用していると目に負担がかかり、角膜内皮細胞が減少してしまうことも。この細胞が減少すると角膜の透明性が低下し、呼吸や代謝機能も悪化してしまいます。そしてこの角膜内皮細胞は一度減少すると、再び増えることがありません。
コンタクトを正しく使わないとさまざまなリスクが起こりうるので、取り扱いには十分に気をつけましょう。また、レンズだけではなくコンタクトレンズの洗浄液や保存液にも使用期限があるので、こちらも守るようにしてください。
使用期限を管理できるアプリの使用
「このコンタクト、いつ買ったんだっけ?」と忘れがちな人は、コンタクトの使用期限を管理できるアプリの使用をおすすめします。使い捨てコンタクトの使用期限から在庫数、在庫が切れるまでのリミットを教えてくれるので大変便利です。通知機能をオンにしておくと、交換日に通知が入ります。
コンタクトレンズのパッケージには、EXPのほかにも、「BC」「PWR」などのアルファベットが書かれています。BCは「ベースカーブ」の略で、レンズのカーブの強さを示すものです。ソフトレンズの場合はBCが多少ずれていても問題ないのが一般的ですから、それほど気にする必要はありません。
一方でハードレンズの場合は、BCの数値が幅広く設定されています。BCが自分の瞳に合っていないと、レンズがゆるく感じたり、眼球が締め付けられてしまったりと、適切なつけ心地をキープすることが難しいでしょう。BCの数値が大きいほどカーブはゆるくなり、数値が小さいほどカーブがきつくなります。ハードレンズの購入時にはBCの数値も必要になるため、自分のBCを覚えておきましょう。
「PWR」は、コンタクトレンズの度数を指します。自分の正しい度数が分かっていれば、コンタクトレンズの購入がスムーズにできます。PWRが分かっていないと、間違った度数のレンズを購入してしまうことになります。「PWR」は、「D」などとも表記されることがあります。-が近視用、+が遠視用の度数です。
今回は、コンタクトレンズのパッケージに記載されているEXPをご紹介しました。何気なく書かれているアルファベットですが、正しい意味を知っておきましょう。