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カラコンの含水率とは?低含水カラコンと高含水カラコンの違い、レンズ選び方を解説

カラコンを選ぶときに必ずチェックしたいのが「含水率」です。

含水率は、カラコンのつけ心地や目の乾燥しやすさにも影響する大切な数値で、パッケージなどに記載されています。

しかし、「含水率が高いほうが目に良さそう……」などのイメージだけでカラコンを選ぶことはおすすめしません。含水率の合わないカラコンを選んでしまうと、目のトラブルを 招くおそれがあります。

それでは、含水率をチェックする際にはどのような点に注意すればよいのでしょうか。詳しく見ていきましょう。

■カラコンの「含水率」とは?

まずは、含水率がどのようなものなのかを説明します。

◇含水率は「レンズに含まれる水分の割合」

含水率とは、「ソフトコンタクトレンズに含まれる水分の割合」のことです。含水率が50%以上のレンズを「高含水レンズ」、含水率が50%未満のレンズを「低含水レンズ」と呼びます。含水率は、レンズの硬さやつけ心地、酸素透過率や目の乾燥しやすさなどにも影響する重要な要素です。

なお、ハードコンタクトレンズには水分が含まれていないため、含水率が問題になることはありません。含水率に気を付けなければならないのは、カラコンなどのソフトコンタクトレンズのみです。

◇含水率が合わないと目にトラブルが起きることも……

カラコンの含水率が目に合っていないと、目が乾燥してレンズがずれやすくなることがあります。レンズがずれる際の摩擦で目が傷付いたり、乾燥が原因でレンズが目に張り付いたりする場合もあるため、注意が必要です。

含水率が合わないカラコンを使い続けていると、目の乾燥が進んでドライアイを引き起こすおそれがあります。さらに、目に付いた傷が悪化すると失明する可能性も否定できません。このようなリスクを避けるためにも、カラコンを購入する際には含水率をしっかり確認するようにしてください。

■カラコンの含水率|低含水レンズの特徴

それでは、含水率によってカラコンのつけ心地などはどのように変わるのでしょうか。まず、低含水レンズの特徴を見ていきましょう。

◇低含水レンズのメリット

低含水レンズは、もともとレンズに含まれる水分が少ないため、レンズから蒸発する水分の量もそれほど多くありません。また、レンズが吸収する涙の量も少ないため、目が乾きにくいのが特徴です。

低含水レンズの多くは、汚れを引き寄せにくい非イオン性レンズで、比較的汚れに強いことも低含水レンズの特徴といえます。花粉やたんぱく質などの汚れが付きにくく、視界をクリアに保てます。

また、低含水レンズは目が乾燥しにくいため、長時間装用していてもつけ心地があまり変わりません。装用時間が長い方にとっては、この点も大きなメリットといえるでしょう。

◇低含水レンズのデメリット

低含水レンズは水分量が少ないため、高含水レンズに比べて硬く、うるおい感があまりありません。そのため、つけ心地が悪いと感じる方もいるようです。

また、一般的にソフトコンタクトレンズは含水率が高いほど酸素透過率が高くなり、含水率が低いほど酸素透過率が低くなります。これは、角膜(黒目の部分)がレンズ中の水分を通じて酸素を吸収しているためです。このようなことから、低含水レンズを選ぶと、角膜が酸素不足になり充血などのトラブルが起こるおそれがあります。

もっとも、最近は低含水でありながら酸素透過率の高い「シリコーンハイドロゲル」素材のカラコンも販売されています。そのため、シリコーンハイドロゲル素材のカラコンを選べば、酸素透過率に関するデメリットは解消できるでしょう。

■カラコンの含水率|高含水レンズの特徴

次は高含水レンズの特徴です。こちらも、メリット・デメリットに分けて見ていきましょう。

◇高含水レンズのメリット

高含水レンズはレンズに含まれる水分量が多く、酸素透過率が高いのが特徴です。酸素透過率が高くなると目の負担が減るため、目の充血などのトラブルが起きにくくなります。

また、高含水レンズはたっぷり水分を含んでいるためレンズが軟らかく、つけ心地が良いのも特徴です。フィット感が高く、つけた直後から目になじみやすいのも大きなメリットといえるでしょう。

◇高含水レンズのデメリット

高含水レンズは、低含水レンズに比べて目が乾燥しやすいデメリットがあります。これは、レンズから蒸発した水分を補うために涙が吸収されてしまうためです。このようなことから、高含水レンズは涙の量が少ない方やドライアイの方にはおすすめできません。

また、高含水レンズはイオン性の素材で作られていることが多いため、低含水レンズに比べてたんぱく質などの汚れが付きやすい特徴もあります。ただし、非イオン性の高含水レンズもあり、レンズの表面が処理されているレンズもあるため、「高含水レンズ=汚れやすい」とは言い切れません。

■低含水レンズと高含水レンズ、どちらを選ぶべき?

それでは、低含水レンズと高含水レンズのどちらを選ぶべきなのでしょうか。

目が乾燥しにくく、長時間装用してもつけ心地があまり変わらない低含水レンズが向いているのは、以下のような方です。

 涙の量が少ない方

 ドライアイの方

 カラコンの装用時間が長い方

もちろん、涙の量が多い方やドライアイではない方、カラコンの装用時間が短い方でも、低含水レンズは使用できます。目の乾燥を防ぎたい場合は、できるだけ低含水レンズを選ぶようにしましょう。

一方、酸素透過率が高く目になじみやすい高含水レンズが向いているのは、以下のような方です。

 カラコン初心者の方

 涙の量が多い方

 カラコンの装用時間が短い方

なお、高含水レンズはカラコン初心者以外の方でも使用できますが、低含水レンズに比べて目が乾燥しやすいため、涙の量が少ない方や装用時間が長い方にはあまりおすすめできません。

「目の乾燥は気になるけれど、酸素透過率にもこだわりたい」という場合は、含水率が低く酸素透過率の高いシリコーンハイドロゲル素材のカラコンがおすすめです。

■自身の目に合うカラコンを選ぶためのポイント

目に合うカラコンを選ぶためには、眼科を受診して医師の診察を受けることが必要です。特に「カラコンが初めて」という場合は、必ず眼科を受診してください。

眼科を受診すれば、BC(ベースカーブ:レンズの曲がり具合を表す数値)や度数も正確に測定してもらえるうえ、目の状態に合う含水率のカラコンを処方してもらえます。

ただし、眼科は1回受診すればその後受診しなくて良いわけではありません。処方されたカラコンを使用していても、気が付かないうちに、ドライアイや眼病の症状が悪化することもあります。そのため、目やレンズに異常がなくても3ヵ月に1回は眼科を受診し、最も目に合うレンズを処方してもらいましょう。

なお、カラコンの処方が目的であっても、眼科での検査には保険が適用されます。眼科を受診する際には、健康保険証を忘れないようにしてください。

■まとめ

今回は、カラコンの含水率とレンズの選び方などを解説しました。

カラコンの含水率は、つけ心地や目の乾きやすさ、酸素透過率などにも関係する重要なものです。カラコンには、水分量の少ない低含水レンズと水分量の多い高含水レンズがありますが、それぞれメリット・デメリットがあります。

目の乾きが気になる場合や、カラコンの装用時間が長い場合は低含水レンズを、つけ心地や酸素透過率を重視する場合は高含水レンズを選ぶようにしましょう。また、低含水レンズと高含水レンズの長所を併せ持つ「シリコーンハイドロゲル」素材のカラコンもおすすめです。

なお、カラコンを安全に使うためには、定期的な眼科受診が欠かせません。目の健康を維持しながらカラコンを楽しむためにも、3ヵ月に1回は眼科を受診するようにしてください。

 公開日:2023/4/6