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コンタクトレンズの使用期限とは?使用期間との違い、期限を守るべき理由を解説

コンタクトレンズは、消耗品です。特に、ワンデータイプや2ウィークタイプ、マンスリータイプはこまめに買い足さなくてはならないため、セール時などに買いだめしている方も多いのではないでしょうか。

しかし、コンタクトレンズには使用期限があります。「少しぐらい切れてもいいでしょ?」と思うかもしれませんが、期限切れのコンタクトレンズを使用すると眼障害をまねき、失明する場合もあるのです。

それでは、コンタクトレンズの使用期限はどうやって確認すればいいのでしょうか。本記事では、使用期間との違いや、期限を守るべき理由を詳しく解説します。

■コンタクトレンズの「使用期限」とは?「使用期間」との違いは?

コンタクトレンズの使用にあたり、よく混同されるのが「使用期限」と「使用期間」です。いずれも守らなければならない大切な期限・期間ですので、意味と違いをしっかり理解しておきましょう。

◇使用期限は「未開封レンズの寿命」

コンタクトレンズの使用期限とは、未開封で保管した場合にレンズの品質が保証される期限のことです。

コンタクトレンズの耐久性や酸素透過性などは、たとえ未開封でも毎日少しずつ損なわれていきます。そのため、コンタクトレンズを安全に使用できる期限を「使用期限」としてメーカーが設定しているのです。

ただし、品質や安全性が保証されるのは、適切な条件下でコンタクトレンズを保管した場合に限られます。また、使用期限はブリスターケース開封後のコンタクトレンズには適用されません。

なお、使用期限は、外箱やブリスターケースに「EXP」という略語とともに示されています。

例えば、「EXP2024.05」あるいは「EXP2024-05-31」などの記載がある未開封のコンタクトレンズは、2024年5月31日まで使用可能です。

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◇使用期間は「開封後に使える期間」

コンタクトレンズの使用期間とは、ブリスターケース開封後にコンタクトレンズを使用できる期間のことです。

使用期間は開封日から数え始め、2ウィークタイプは開封日から2週間、マンスリータイプは開封日から1ヵ月間使用できます。

ただし、コンタクトレンズを安全に使うためには、適切なデイリーケアが必要です。また、装用日数が少なくても、開封日から2週間あるいは1ヵ月経ったコンタクトレンズは廃棄しなければなりません。使用期間を忘れてしまいそうな場合は、カレンダーや専用アプリなどで交換日を管理するのがおすすめです。

なお、ワンデータイプのコンタクトレンズは再装用を想定した作りになっていません。したがって、一度外したら同日中でも廃棄してください。

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◇長期使用レンズの使用期限は?

長期使用レンズ(コンベンショナルレンズ)にも、使用期限はあります。

コンベンショナルレンズの場合、未開封なら購入時のレンズケースに記載されている年月まで保存可能です。これは、ハードコンタクトレンズでもソフトコンタクトレンズでも変わりません。

ただし、開封後のコンタクトレンズの寿命はレンズのタイプにより多少異なります。一般的に、ハードコンタクトレンズの交換目安は2~3年程度、ソフトコンタクトレンズの交換目安は1年~1年半程度です。

もっとも、コンベンショナルレンズの寿命は、ケア方法や使用頻度などによって変わってきます。眼科の定期受診時にコンタクトレンズの状態もチェックしてもらい、必要に応じて買い替えるようにしましょう。

■コンタクトレンズの使用期限を守らなければならない理由

ここからは、コンタクトレンズの使用期限を守らなければいけない理由を詳しく解説します。

◇レンズが劣化するから

コンタクトレンズの耐久性には限界があります。そのため、たとえ未開封であってもコンタクトレンズの劣化は避けられません。

例えば、酸素透過率は使用期限内であれば保証されますが、使用期限を過ぎたコンタクトレンズの酸素透過率は著しく低くなっているおそれがあります。また、使用期限が切れて劣化したコンタクトレンズは、汚れが付きやすくなったり破損したりするリスクも否定できません。

このように、使用期限が切れたコンタクトレンズを使用すると、目に十分な酸素が供給されなくなったり、レンズの汚れや破れで目を傷付けたりするおそれがあるため、大変危険です。

◇感染症にかかるリスクが高まるから

使用期限が切れ、酸素透過率が低くなっているコンタクトレンズを使用すると、目が酸素不足の状態になって抵抗力が低下し、感染症にかかりやすくなります。劣化したコンタクトレンズに付着した雑菌などの汚れが原因で、感染症を起こすこともあるでしょう。

また、目が酸素不足になると角膜(黒目の部分)の新陳代謝が鈍くなり、傷が付きやすくなります。目に傷ができると、細菌やウイルスに感染するリスクがますます高まるでしょう。

また、角膜の感染症の一つである角膜潰瘍などに罹患すると、治療しても角膜に傷が残ることがあります。症状によっては、視力障害が生じたり角膜移植が必要になったりする場合もあるため、要注意です。

◇眼障害や視力低下をまねくおそれがあるから

使用期限切れのコンタクトレンズを使い、目が酸素不足の状態に陥ると、角膜内皮細胞の減少をまねくおそれがあります。

角膜内皮細胞は、角膜の透明性を保つために欠かせない組織です。しかし、失われた角膜内皮細胞は再生されず、症状が進むと強い痛みが生じたり、角膜移植が必要になったりします。

また、目の酸素不足が長く続くと、酸素を取り込むために血管が角膜に侵入する角膜新生血管をまねくこともあります。血管が角膜の中心まで侵入してくると、視力が低下したり、失明したりする場合もあるため、気を付けなければなりません。

このように、使用期限の切れたコンタクトレンズを使用すると、角膜が障害されてさまざまな眼障害や視力低下、場合によっては失明をまねくおそれがあります。

目の健康を維持するためにも、コンタクトレンズの使用期限は必ず守りましょう。

■コンタクトレンズ保存液やレンズケースの使用期限にも要注意

使用期限を守らなければならないのは、コンタクトレンズだけではありません。デイリーケアに欠かせないコンタクトレンズの洗浄保存液や、レンズケースの使用期限にも注意しましょう。

◇保存液の使用期限

コンタクトレンズの保存液や洗浄保存液などの使用期限は、ボトルの側面や外箱に記載されています。ただし、この使用期限は開封前のものです。

開封後の使用期限は製品により異なりますが、通常は開封日から1ヵ月~1年程度です。開封後の使用期限はボトルや説明書に記載されていることもあるため、あらかじめ確認して、使い切れない場合は誤使用を避けるために廃棄してください。

なお、ボトルの先端が指先やコンタクトレンズに触れると、雑菌がボトル内で繁殖して液が混濁したり変色したりする場合があります。雑菌が繁殖した保存液や洗浄保存液を使うとコンタクトレンズやレンズケースが汚染されるため、液のにごりや変色に気が付いたらすぐに廃棄してください。

◇レンズケースは定期的に交換を

コンタクトレンズを清潔に保つためには、レンズケースも使うたびに洗浄して乾燥させなければなりません。

しかし、レンズケースも使用しているうちに汚れたり傷が付いたりします。ケアの方法が適切でないと、カビやバイオフィルム(細菌を多く含むスライム状の膜のようなもの)で汚染されたりする場合もあります。

カビなどで汚染されたレンズケースはすぐに交換が必要ですが、そうでない場合も定期的に交換して清潔を維持するよう心がけましょう。

ハードコンタクトレンズのケースの場合は、半年~1年に1回は交換してください。ソフトコンタクトレンズ用のケースの場合は、少なくとも3ヵ月に1回は交換しましょう。

ただし、液漏れがある場合やひどい汚れが付いている場合は、すぐにレンズケースを破棄して、新しいものに交換してください。

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■まとめ

コンタクトレンズには、未開封のレンズの寿命を示す使用期限があります。

使用期限を過ぎたコンタクトレンズは、汚れやすく破損のリスクが高いため、安全に使用できません。劣化が進み、酸素透過率が低下している可能性も否定できないため、それによって感染症にかかったり、眼障害から視力障害をまねいたりするおそれもあります。目の健康を害さないために、ストックしてあるコンタクトレンズは使用期限を確認してから使いましょう。

なお、誤って使用期限切れのコンタクトレンズを使用した場合は、念のため眼科を受診してください。また、セールなどでコンタクトレンズを一括購入する際は、使用期限に注意して使い切れる量を購入しましょう。

公開日:2023/9/26